水の都の巫女 | ナノ


25

 局長から借りたカードキーで3階の扉のロックを解除して4階へ向かった。レッドと話してボスと思われる奴はこの最上階の展望台にいると予想した。
5階への階段の前に憎きランスが立ち塞がった。

「お待ちなさい!……おや、チョウジタウンの地下アジトでお会いした少年に…ジルチじゃないですか。あの重傷から完治するまで長かったですね。おや、右目どうされました?」

「ランス…!チョウジタウンでの恨み、ここで晴らしてやるっ!!」

怒りの感情のせいで能力が溢れだし、私の周りに電撃が走った。

「いいでしょう。お望み通り相手をしてあげますよ!ただし、負けたら…わかってますよね?」

「ジルチはお前なんかに負けない。お前達にジルチを渡さない!」

「おやおや…かなりの自信があるようですね。ゴルバット、つばさでうつ」

「シャワーズ、ゴルバットを凍り尽くせ、れいとうビーム」

シャワーズの口から冷気を吐いてゴルバットを凍り漬けにした。

「アクアテールで砕け!」

シャワーズは勢いよく振った尻尾をゴルバットにぶつけ、氷を砕いて戦闘不能にした。ランスは次のポケモンを繰り出した。

「では、マタドガス…」

「ハイドロポンプ!!」

指示を出される前に先手で高火力のハイドロポンプを当てて、1撃でマタドガスを倒した。

「前と変わらずやりますねぇ…」

「2度と私の前に現れるな」

「…断ったらどうします?」

「貴様ぁっ!!!」

私の怒りは限界を越えて、ランスに10万ボルトしてやろうと思い、手に電撃を溜め込むとレッドに腕を掴まれた。

「あいつの挑発に乗ったらダメだ」

「……」

心の中で舌打ちをして溜め込んだ電撃を消した。

「……。私に勝ったところで所詮はロケット団の怒りを強めただけですよ。いずれまた会う事になるでしょう」

「貴様なんか2度と会いたくない!!」

「ジルチ、無視して上へ行こうっしたっぱに構ってる暇はない!」

「したっぱじゃなく、幹部です」

バチィッ!!
ランスのすぐ横の壁がピカチュウの10万ボルトで軽く焦がした。

「そんな事はどうでもいい…またジルチの前に姿を現したら次は容赦しない」

ランスに冷たく言い放って、私はレッドに引っ張られる形で5階へ上がった。

「……」

「ジルチ、少しは落ち着いた?気に入らないのはわかるけど頭に血が上りすぎ」

「…ごめん」

「うん。次の階で展望台だから頑張ろ?」

「うん…!」

少し歩くと展望台に続く5階のエレベーターの前に白の制服を着た女性の団員がいる事に気づいた。


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