水の都の巫女 | ナノ


21

 手招きをされたので長老に近寄った。

「お主に渡すものがあるのじゃ。儂に認められた証としてこれを連れて行くがよい」

長老は懐から1つのボールを取り出した。

「出してもいいですか?」

「もちろんじゃ」

ボールを投げると中から元気なミニリュウが出てきた。

「ドラゴンタイプは我々一族の象徴。お主なら任せられる」

「…ありがとうございます。それでは私達は行きます」

ミニリュウをボールに戻して私達は祠を出た。

「……竜の血を引く者、この先の困難に立ち向かうのじゃ」

ジルチを見送ったあと長老は一人言を呟いた。

 レッドのカメックスに乗りながら出口を目指していると出口の近くにイブキさんが立っていた。

「おまちなさい!今回は悪かったわね。お詫びにこれをあげるわ……」

イブキさんの手には1枚の技マシンをあった。

「わざマシン59に入っているのはりゅうのはどう。波動っていうのは……もう!何でもいいじゃない!とにかくすごいエネルギーなのよ!」

「あ、はい…」

「いらないなら無理して持っていかなくてもいいのよ!」

「貰えるものは貰っていきます」

技マシンをケースにしまってイブキさんを見ると何か言いたそうな顔をしていた。

「この先、何をするにしても諦めたら許さないからね!そうでないと負けた私が惨めになるでしょ!…………頑張って」

「諦めませんし頑張りますよ?」

イブキさんは軽く頷いて先に外へ出ていった。

「何だかんだ言ってジルチの事認めてるみたいだね」

「みたい、だね…」

不器用な人だったのかと思いつつ、ポケセンで一休みしてからマツバさんに挨拶する為にエンジュを目指す事にした。

「エンジュの次は?」

「キキョウシティのハヤトさんに挨拶をしてから歩いてワカバタウンに帰ろうと思う。挨拶回りでリザードンに苦労させちゃうけど大丈夫かな?」

「大丈夫だよ。そんな遠くもないしジルチが旅したジョウトを見てみたいからね」

「ありがとう。ミニリュウをカイリューに進化させたら空を飛べるのだけどねぇ…」

またシロガネ山に籠って次はミニリュウを育てようかなと考えていたらレッドに頭を撫でられた。

「僕とリザードンがいるから気にしなくていいよ」

「でも…」

「ジルチが僕に引っつく機会が減るのはちょっと…」

「本音はそっち!?」

「半分はね!」

「もう半分は!?」

もう半分が何なのか気になっているとジョーイさんに手持ちの回復が終わったと呼ばれて受け取りにいった。


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