水の都の巫女 | ナノ


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 それからシロガネ山に籠って3ヶ月くらい過ぎた。ヨーギラスを中心に皆を育てて、新しい技を覚えたり動きが以前より良くなった。
実戦に向けての技の組み合わせや攻撃の避け方、指示を出すタイミングを鍛える為にレッドとバトルをした。
その成果でヨーギラスはバンギラスに進化した。進化した時は私より大きくなって見上げるとバクフーンのように逞しい顔つきになった。それでもヨーギラスの頃から変わらず、甘えん坊で今まで私が抱きしめてたのが逆に抱きしめられるようになった。

「そろそろフスベに戻る?」

「そうだね。バンギラスにドラゴンクローを覚えさせたからドラゴンタイプの対策は大丈夫かなと思ってるけど、つめとぎからのギガインパクトをやってみたいんだよねぇ…」

つめとぎ、攻撃と命中率が上がる技で素早さが心許ない分を補って、確実に攻撃を当てる戦法の為に覚えさせたかったけど、今回はドラゴンタイプのジム戦とゆう事でドラゴンクローを優先した。

「攻撃力と命中率が上がるから当たったら怖そうだ。でも見てみたい気持ちはわかる」

「レッドもわかってくれる ?まぁフスベジム以降でドラゴンクローを使う機会が多かったら見送りになっちゃうかなー」

「ワタルがドラゴン使いだからリーグ戦までは必要になるね」

「あ、ワタルさんもドラゴン使いなの?」

ワタルさんもドラゴン使いとは初耳だった。そうなるとつめとぎが本格的に見送りになるか他の技を諦めるかのどちらかになりそうだ。

「カイリューが手強かったけどあの人ハクリュー2匹手持ちにいたからもしかしたら…」

「カイリュー3匹のチャンピオンなんて挑戦しに来たトレーナー泣いちゃうよ…!!」

カイリューは全体的に能力が高いと言われているポケモン。そんなポケモン3匹所持してバトルを挑まれたら泣きたくなる、いや絶対に泣く…私なら戦い甲斐があるから喜ぶけどね。
それからシロガネ山を下りてフスベシティへ戻る為に荷造りをした。

「よいしょっと…荷物はこれで全部?」

荷物をまとめるとレッドが旅に出るときに背負ってたリュックと大きめのボストンバッグだけになった。

「うん。でもマサラタウンに戻るのはフスベジム突破してからだよ」

「でも荷物重くない?」

「このくらい平気だよ。家に持って帰るの手伝って欲しいとは言ったけどジルチと一緒にカントーへ帰るって言ったじゃないか」

確かにそうだ、と頷いた。

「ジルチ、一緒に僕の家に帰ろう。母さんがご馳走を作ってくれると思う」

「うん!ここまで頑張ってるのだから負けるわけにはいかないよっ。そういえばレッド、旅に出てから家に帰った事ある?」

「…………」

レッドが無言で目をそらした。

「まさか…」

「うん、そのまさかだよ」

「これは説教が先にされそうだね…。そうだ、カントー行く前にお世話になった人に挨拶しなきゃ!ガンテツさんとこでボール作ってもらってから取りに行ってないし…あ、ウツギ博士にキキョウシティ以降連絡してない…!!」

お互い旅に出てから4年近くと2年くらい身内に連絡取っていない+家に帰っていない状態だった。

「ジルチも説教が先にされそうだね」

「そうなるね…」

説教と言えばハヤトさんの説教がある事を思い出した。ワカバタウンに戻る前に力尽きそう。


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