水の都の巫女 | ナノ


15

 ヨーギラスのすなあらしで少しずつダメージを与えつつ、かみつくとふみつけを交互に使っていた。
小一時間くらい戦ってリングマを倒すことに成功した。

「ふぅ…ヨーギラス、お疲れ様。サイコソーダあげる」

少しよろけつつもヨーギラスはサイコソーダを受け取って一気飲みした。

「意外といけるね」

「うん、時間はかかったけど意外といけるのはわかったから頑張るよ!レッド、キーの実持ってる?」

「キーの実?ちょっと待ってて…」

レッドはリュックの中を探ってキーの実を出した。

「キーの実をヨーギラスに持たせるの?」

「うん。げきりん覚えてるみたいだからいざとなった時の切り札にしようと思ってね」

「なるほどね。ジルチ…」

「ん?」

レッドに顔を向けると軽く口づけをされた。

「っ!レッド…」

「ジルチ顔真っ赤。可愛い」

クスクスと笑いながらレッドは私の頬を両手で包んでもう1度口づけしようとした。

「あー…イチャついてるとこ悪いけど食料届けに来たぜ」

「わっ!!グリーン!?ちょ、待っ」

大荷物を背負ったグリーンの登場で慌てる私と口づけし損ねたレッドは不機嫌そうにグリーンを睨んだ。

「グリーン……」

「悪かったって!その様子だとやっと告白したんだな」

「そうだよ」

「おめでとうさん。ジルチを大切にしてやれよ。…おっヨーギラスじゃん。ジルチがつかまえたのか?」

足元でサイコソーダの瓶で遊んでるヨーギラスを見てグリーンは私に言った。

「さっきつかまえて、ついさっきリングマとバトルした!」

「さっきって唐突な…。ここに入る前に洞窟から傷だらけで不機嫌そうなリングマとすれ違ったから、またレッドのピカチュウが威嚇したのかと思ったらジルチのヨーギラスだったのか」

グリーンはヨーギラスの前にしゃがんで角をつついた。

「その通り!シロガネ山に籠ってバンギラスまで進化させるよ」

「……これはしばらく山から下りないな。ワタルさんの予想通りになりそうだぜ…」

「ん?」

「いや、何でもねぇよ。また来週来るぜ!さすがにここまで2人分の食料届けるの疲れるから来週の昼間に麓のポケセンに来いよ?」

「わかった」

「ありがとう、グリーン!」

グリーンは服や荷物に乗っかった雪を払ってからピジョットを出してシロガネ山から飛び去った。

prev / next

[ 目次に戻る ]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -