水の都の巫女 | ナノ


13

 昼すぎに吹雪が収まり、視界がよくなったから洞窟を出ると、外は白銀の世界が広がっていた。

「わぁ凄い白い!輝いてる!あははっ!」

雪がこんなに積もっている光景を初めて見たから凄くテンションが上がった。

「あんまり飛び跳ねてるとバランス崩して倒れるよ?」

「大丈夫!だいじっ!?」

大丈夫と思っていたら深く積もった雪に足を持っていかれてバランスを崩した。

「言わんこっちゃないね…」

雪の上にダイブする前にレッドが私の手を掴んでいてくれたから助かった。

「えへへ…」

「ドジ」

「ちょっ失礼な!」

真顔でドジと言われるとは思わなかった。

「ジルチは目を離すと危ないことしてそうで心配」

「旅してからいろんな人に心配されたよ…」

ウツギ博士、オーキド博士、ヒビキ君、コトネちゃん、ハヤトさん、マツバさん…思ってたより結構いた。
転けそうになった時にレッドが掴んでくれた手はそのまま繋いで洞窟を目指した。

 ―シロガネ山洞窟

「おぉ…凄い数のズバット、ゴルバットの群れだね」

洞窟内の天井にズバット達の群れがあった。ヨーギラスを探しつつ野生のポケモン達とバトルをしていた。

「ここの野生のポケモンは好戦的だね。次から次へとバトルを挑んでくる」

「回復の道具をあまり使わずに倒していかないと道具が底を尽きて泣くよ?」

「私がそんな子供の頃にやらかした失敗をするとでも?」

「……」

レッドは肯定も否定もしなかったけど内心やりかねないと思っている。私だって反省くらいするよ…多分。
そして洞窟探索をして数時間が経った。

「ヨーギラスー…」

手持ちのみんなは野生のポケモンとバトルをしまくったおかげで今日だけでも大分鍛えれた気がする。しかし、ヨーギラスに出会えていない。

「そろそろ日が沈む頃だからまた明日にしよっか」

「んー…そうするー」

さすがに1日目で会えないかーと思いつつ、野生のポケモンとバトルしながら山頂の洞窟へ戻っていった。

 ―シロガネ山・山頂の洞窟

「あ…」

「どうしたの?」

「食料がインスタントのコーンスープとコーヒーしかない」

「え?」

それは深刻な問題だった。

「……外吹雪いてるけどポケセンへ行くために今から下山する?」

「いや、グリーンが気づいてると思うから明日の昼まで待とう。幸いチョコレートあるから…2人で3日ぐらいは生きれるんじゃないかな?」

「グリーンが早く来ることを祈るよ…」

今空腹で死にそうとかじゃないけどグリーンが現れず2日目以降の行動が不安になった。

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