水の都の巫女 | ナノ


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 再会のバトルはグリーンに勝って、レッドに負けた。負けた時は悔しかったけどそれ以上に楽しかった。

「今日の晩御飯はグリーンの奢りだよね?たくさん食べよっと!!」

「そうだったな…。お前ら食べる量の加減はしろよ?」

「…覚えておくね?」

「グリーンなら大丈夫だと思ってる」

(こいつらダメだ…)

グリーンがお財布と相談しているのを横目で見ていると私にも何かしら罰ゲームがある事を思い出した。

「そういえばレッドに負けたけど…何すればいいの?」

「ん、そうだね。シロガネ山に置いてきた荷物を一緒に取りに行って家に持って帰るのを手伝って欲しいけど…しばらくの間ジルチと一緒にシロガネ山に籠りたいかな」

「え?シロガネ山に?」

レッドの話によるとグリーンから定期的に渡される食料・日用品の為にシロガネ山の麓にあるポケセンへ下山したところ、緊急でチョウジタウンへ行ったから他の荷物を洞窟内に置いてきたまんまらしい。
取りに行くついでに私のポケモンを鍛えてフスベジムを万全な状態で挑む事がレッドの目的との事。

「シロガネ山ってどんなポケモンがいるの?」

「戦い甲斐がある野生のポケモンがいっぱいいる。ジルチならヨーギラスとかムウマが好きそう。…こうゆうポケモンだよ」

レッドはポケットに入れてたポケモン図鑑を出してヨーギラスとムウマのページを開けてくれた。

「おぉ…!カッコいい!可愛い!!レッドの図鑑、ジョウトのデータ入れたんだね!」

「うん、偶然オーキド博士に会った時に更新してくれた。シロガネ山に籠っててあまり登録してないけどね」

ヨーギラスはいわはだポケモンのじめん・いわタイプ。ムウマはよなきポケモンのゴーストタイプ。私の手持ちにはいないタイプのポケモンだ。

「この期に手持ちを増やして強化するのもありか…」

フスベジムはドラゴンタイプのジム。バトルするならドラゴンタイプの技を覚えるポケモンを手持ちに加えてたいところ。

「ジムに置いてきてるけどヨーギラスの最終進化のバンギラスならオレ持ってるぜ?」

「本当っ!?どんな感じ?」

「幅広くいろんな技を覚える器用なポケモンで物理攻撃型、特殊攻撃型にもなれるが、全体的に見ると素早さが少し低くて格闘タイプが弱点。オレはその素早さの低さを活用した戦術でバトルしてるぜ」

「…トリックルーム?」

「そうだぜ!素早さがあれかもしれないが確かにジルチが好きそうなポケモンだな」

2人の言う通り私好みのポケモンだ。育て方次第じゃ素早さをそこそこ上げる事は可能だろうし仮に素早さがないのなら防御を高くしたり攻撃力を上げて相手の攻撃を相殺すればいい。
手持ちに物理攻撃型の子がいないから育てるなら物理特化かなと考えていた。

「よし、明日シロガネ山に行こう!」

「じゃあ朝起きたらリザードンに乗って行こうか」

「うん!」

「ジルチ、暖かい格好してから行けよ?何の防寒対策してなかったら山の中で凍え死ぬぜ?」

「1年中雪が積もってるのは知ってるけど…そんなに寒いの?」

レッドの服装を見ると防寒対策をしてないからそこまで寒い環境ではないと思っていた。

「レッドを基準にしたらダメだ。あの厳しい環境を半袖で3年近く過ごしてるから感覚がおかしい」

「グリーン…あとでバトルをしようか?」

「やるのか?挑むところだぜ…!」


……このあとグリーンはレッドにこてんぱんにされた上、晩御飯代を桁違いな金額にされたとゆう。

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