水の都の巫女 | ナノ


最強になるために(ソウル)

 竜の洞穴で修行をしているとオレと年の変わらない奴が2人やってきた。帽子を被った奴の肩にピカチュウがいて力試しにこいつとバトルをしようと思い、近づいた。
ライチュウに進化させてないからさほど強くない、そう思っていた。

―結果

「チッ…強すぎる!」

「……」

ピカチュウ1匹にオレの手持ちを全滅させられた。ロケット団アジトでバトルをしたワタルと同じで全く歯が立たなかった。負けたところをあの女に見られて気分は最悪だったしバトルした奴と知り合いときた。

それからオレは長老にまた強くなる秘訣を聞こうと祠に戻った時だった。あの女が帽子の奴の隣にいた奴とバトルを始めた。状況は五分五分でお互いに譲り合わないバトルだった。そういえばどこかで見たことがあると思ったら最年少でリーグ制覇した奴だった。

「お、いたいた」

ここの祠はオレの気にくわない奴ばかりいる。憂さ晴らしにワタルに勝負を挑もうとした。

「まぁ、そう怒らないで。あの時は急いでたから君に悪いことをしたね。ジルチとグリーンのバトルを見てたのかい?」

あの女、ジルチって名前なのか。そういえば一方的に名前知られていて逆にあいつの名前を知らなかった。

「フン!リーグ制覇した奴のバトルがどんなものか観察していただけだ」

「知ってたんだ?君が舐めてたピカチュウの子もリーグ制覇したよ。…数ヶ月後、俺にチャンピオンの座を返しに来たけどね」

「あの帽子の奴…何で最強の座を手にしたのにわざわざ返す理由あんかよ」

オレの目指す最強のトレーナー、リーグのチャンピオンだがそれを手にしておきながらその座を降りたことに不愉快な気持ちになった。理由を聞けばジルチを守るために強くなる、その修行をするためだったと聞いてますますわからなかった。

「あの小生意気な女を守るためにか?」

オレはライボルトに指示を出して楽しそうにバトルをしているジルチを見た。バトルでは圧倒的な強さを見せつけられたからそんな奴を守る必要があるのか疑問だった。

「ジルチの前でそれを言ったらライボルトのかみなりが落ちてくるよ。ソウル君だったかな?君は彼らのバトルをよく見た方がいいと思うよ。君に足りない物が何なのかわかるだろうから」

ワタルは長老に軽く挨拶をして祠を立ち去った。前にも言ってたポケモンへの愛と信頼が足りないとゆう生ぬるい事にそれ以外にも何かあるってか。

「チッ言われなくてもよく見てるさ。強くなる為に朝早くからここにいるんだからな…。出てこい、あいつらの動き、よく見てろよ。特にカメックスをな」

氷の抜け道で進化したオーダイルを隣に出してあいつらのバトルの観察をした。カメックスが倒れて次は帽子の番だった。ピカチュウでくるかと思いきやリザードンが出てきた。あの場所から祠まで距離があるのにバトルの衝撃が届いてくる。

「何て力だ…!そいつと戦い合えるあいつも何者なんだ!?」

見ているこっちが震えあがるようなバトルだった。結果はリザードンの勝ちでバトルは終わった。

「…っ!!こんな所でのんびりトレーニングしてる場合じゃないな……もっと強い奴がいる場所に、最強になれる場所…。オーダイル、行くぞ!」

オレはオーダイルに乗って竜の洞穴の出口へ向かった。後ろを振り向くとあいつらは楽しそうに笑っていた。

「ジルチ…必ずぶっ倒してやるからな」

ワタルも帽子の奴も、必ず倒す。
その為に、こいつらを強くする。

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