水の都の巫女 | ナノ


06

 翌日、起きると私の荷物とメモが置いてあった。

[おはようございます!ジルチさんが起きて大丈夫そうだったってグリーンさんから聞きました!ジルチさんの荷物と手持ちのボールを置いておきます。一旦コガネに戻ります ヒビキ]

「わざわざ届けに来てくれたんだ。…みんなっ出てきて!」

ボールを軽く上へ投げるとみんなが出てきた。私が大丈夫そうなのを確認すると、安心してバクフーンが抱きついたりシャワーズが頭まで上ってきたりとベッドの上で大暴れした。

「心配かけてごめんね…ワタルさんからの挑戦状でフスベジムは他のジムと違って本気のパーティーでくるだろうから竜の洞穴で特訓するよ!」

それぞれ鳴いていい返事をしてくれた。

「あったあった。このリボンと髪飾りがないと落ち着かないねぇ」

鞄の中に入ってたリボンと髪飾りを取って、早速付けた。うん、首もとすっきり!いつも身に付けてるお守りもあって安心した。

「あ、そうそう。ライボルト、このあとレッド達と再会のバトルをするから全力でいこうね」

『ワウー!』

私はいつもの服に着替えてからみんなをボールに戻した。
リンゴを食べながら竜の洞穴へ行くと誰かとバトルしているのが見えた。

「チッ…強すぎる!」

「……」

ソウルとレッドがバトルしていてレッドが勝ったところだった。

「…あ、ジルチおはよ。身体の具合はどう?」

「動き回るぐらいなら平気かな?ソウルとバトルしてたの?」

「いきなり挑まれたからね」

またか…とソウルを見ると目をそらされた。

「まっレッドの圧勝だったけどな!レッドのピカチュウを甘く見たら痛い目に遭うからな!」

「経験者は語るってね。で、ソウルは何でここに?」

あまり関わりたくなさそうな雰囲気を出してるけど気になったから聞いてみた。

「…なんだ?オレがトレーニングしてるのを冷やかしに来たか?」

「へぇ?特訓するようになったんだ」

「フン!強くなる秘訣を教えてもらいにわざわざこんな所まで来てやったのに長老の奴、もったいつけて何も教えてくれない…。だからここでこうしてポケモンを鍛えているのさ」

(アサギからわざわざ来たんだ…)

「だがオレは!お前を倒すのを諦めてはいないからな!こいつらをもっと強くして、それからオレの……オレの心も強くしてまたお前の前に立ち塞がってやる……」

ソウルは私たちの前から立ち去った。相変わらず強さにこだわっているようだけど以前と違ってポケモンの事を考えて一緒に強くなる意思を感じた。

「あいつと知り合いだったのか?」

「いや、一方的にバトルを挑まれて負けたら嫌みと強さについて話してくるロケット団が嫌いな子だよ。知り合いとゆうより顔見知り」

あとウツギ博士のポケモンを盗んでいった犯人。

「さてと…再会のバトルしよう!まずどっちが先にする?」

「オレからバトルするぜ!!」

「僕はピカチュウと観戦する」

レッドとピカチュウは近くの岩に座った。

「ジルチ!1対1で勝負だ!!」

「挑むところ!!いくよっライボルト!」

白いボールを投げてライボルトが元気よく出てきた。

「やっぱりライボルトか!だけどオレは再会のバトルではこいつを出すって決めてたんだ!ゆけっカメックス!」

あの時もらったゼニガメはカメックスに進化していてかなり手強い感じがする。

「勝っても負けても」

「恨みっこなし!」

「…罰ゲームはあるけどね」

レッドの物騒なセリフを聞き流して再会のバトル、1戦目グリーンとの戦いが始まった。

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