05
ワタルさんから言われる事は想像ついていたけど答えは決まっている。
「お断りします。フスベジムが目の前にあって、バッチがあと1つでリーグに挑めるのに旅を中断して大人しく保護されるわけにはいきません!」
「…どうしても断るのかい?」
「はい」
ワタルさんと睨みあってるとため息をつかれた。
「はぁ…そうだよな。そうゆうところはシズクにそっくりだな…。怪我が治ったらフスベジムに挑んでも構わない。ただし条件がある」
「条件?」
「1つ目はフスベジムのイブキに負けたら大人しく俺に保護されること。2つ目はカントーのバッチ8個…つまり計16個のバッチを集めてからリーグに挑むこと。3つ目はリーグで俺に負けたら1つ目と同じだ」
「「「条件多いっ!!」」」
3人の声が重なった。
「俺とイブキに勝てないようじゃダメだからな」
「いや、まぁそうですけど…!!ってことはイブキさんに勝ったらカントーのジム巡りの旅をしていいんですね?」
「…そうゆう事だな」
「よしっ!!そうなったら皆に話して特訓しな、きゃ」
ベッドから降りようとしたらレッドに押し戻された。
「今日、目覚めたばかりだからダメ。明日なら僕も特訓に付き合うから。ほら、リンゴ食べなよ」
「むぐっ」
一口大のリンゴを2こほど口に入れられた。…うん、シャキシャキで美味しい。
「修行をするなら長老に言ってジムの裏手にある竜の洞穴に入れるようにしておくよ。イブキに全力で戦うように伝えるから頑張るんだな」
「…ありがとうございます。絶対に勝ってみせます」
「楽しみにしている」
ワタルさんは微笑みながら病室を出た。
「ふぅ……明日から頑張ろーっと」
「ワタルさんかなり本気だけど大丈夫か?」
「大丈夫と言えるように皆と特訓する。明日その竜の洞穴に行ってみるよ」
「僕も行く。ジルチと一緒にカントーに戻りたい」
「ありがとう!そうだ明日竜の洞穴で再会のバトルしよ!!」
再会したらバトル、その事は忘れていない。1度チャンピオンになった2人に敵うかわからないけどバトルがしたかった。
「いいぜ!ガキの頃ジルチに負けっぱなしだったからな…今度こそオレが勝つぜ?」
「ふふっ私はそう簡単に負けるつもりはないよ?」
「ジルチが勝ったらグリーンが晩ご飯を奢るでいい?」
「OK!やる気が出てきたぁ!!」
「ちょっと何勝手に決めつけてるんだよ!?」
「もちろんレッドにも負けないから!」
ビシッ!とレッドに指を指すとレッドは口角を上げた。
「じゃあ…ジルチが僕に負けたら何かしてもらおうかな」
「え」
レッドは帽子を被って椅子から立ち上がった。
「また明日」
それだけ言ってピカチュウと一緒に病室を出てしまった。ちょっと待って、軽く罰ゲームの宣言したよね?グリーンだけだと思って笑ってたら私にも言われた。
「ジルチ、ドンマイ!」
「ぐぬぬ……」
グリーンは笑いながら病室を出ていった。おのれグリーンめ…明日のバトル、2人に負けるわけにいかなくなった。
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