水の都の巫女 | ナノ


04

 レッドとしばらくどうしてたとか話をしているとイーブイとピカチュウを肩に乗せたグリーンが入ってきた。

「ジルチ!やっと目が覚めたのかよ!!」

「久しぶり、グリーン。心配かけてごめんね。」

「いいってことよ。それよりジルチ…右目が金色のままだけど大丈夫か?」

イーブイがベッドの上に飛び込んできて撫でていると右目が緑色に戻ってないことを指摘された。

「え、本当?何も使ってないけど……」

「目が覚めた時からずっとそうだったけど?」

「それを早く言ってよ…」

無意識に何か能力を使っているのかなと思っていたけどそうでもない。能力の使いすぎが原因かもしれない。

「リンゴの差し入れがあったけど誰からかわからねぇんだ。かごの中にジルチ宛の手紙あるから読んでみろよ」

グリーンが手紙を渡してくれたので封を開けて読んでみた。…マツバさんとハヤトさんからだ。

「そういえばチョウジタウンには気をつけろと言われていたのに油断しちゃったな…。うわ、ハヤトさん怒ってる!エンジュかキキョウに戻ったら説教コースだ……」

「知ってる人?」

「うん、エンジュジムとキキョウジムのジムリーダーさん。旅の途中でお世話になったの」

「あのピジョットはハヤトさんのか!リンゴ、切ってやるよ」

「ありがとう、グリーン。ハヤトさんのピジョットに会ったの?」

いつの間にか用意していたフルーツナイフとお皿を取り出して皮を剥いているグリーンに聞いた。

「あぁ、ゲンガーとピジョットがリンゴを届けに来たんだ。2玉ぐらい食べれるか?」

「うん。なるほどあの2匹が…」

何か面白い組み合わせだけど2人からだとわかりやすい。

「そういえば私の手持ち、みんな大丈夫だった?」

「ん?あぁヒビキが預かってて1度ボールから出したらしいが大変だったってよ。バクフーンとライボルトが暴れたらしい」

「あー…早く会いに行って私が大丈夫だと伝えなきゃ」

「リンゴ食ってからな。おいっレッド、つまみ食いするな!」

「うん、美味しい」

「お前なー…」

「ふふふっ!」

昔と変わらない2人のやり取りが面白くて安心した。

「病室が賑やかだと思ったら…目が覚めたか」

マントの人…ワタルさんも病室に入ってきた。

「はい。ご迷惑をおかけしてすみません」

「気にするな。元は君の両親に頼まれていたことだからな」

「頼まれていたって…」

「君の身に何かあったら助けてほしいってね。今思えばキキョウジムの時に保護すればよかったと後悔してるよ」

「あの時のワタルさんかなり悩んでましたね」

「…(グリーンがちゃんと敬語で話してる…)」

あの時というのはハヤトさんも行ってた会議のことだろう。お母さんと手紙のやり取りしていたのはこのワタルさんで間違いない。

「あの時に保護すると言われても断ってますよ?」

「だと思ったよ。だからそのままにしたんだ。だけど今回ばかりはそうと言ってはいられない」

それはつまり―

「君をロケット団から守るために保護する」

ジム巡りの旅を中断しろって事ですか。

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