03
目が覚めるとポケセンの病室の天井だった。何回か瞬きをして戻ってきたんだと思っていると全身痛みだした。
「う、痛たた…。至るところ包帯で巻かれてるってどんな怪我をしたんだ、ろ……?」
左手を掴まれてる感覚があって左側を見ると…座りながら寝ているレッドがいた。
「え、レッド…?」
まさかレッドが隣にいるとは思いもしなかった。起こすのも悪いと思って左手を出来る限り動かさないように身体を起こした。
「…本当にレッドだ。最後に会った時と服装は変わらないけど身長かなり伸びた、ね?」
トレードマークとも言える赤い帽子は横の机に置いてあった。
「あ、リンゴある。後で食べようかな」
真っ赤で新鮮そうなリンゴを見たあと、レッドの顔をまじまじ見ていると…目が覚めたレッドと目が合った。
「ジルチ…?」
「レッド、おはよ?」
私の声を聞いた途端、レッドは泣きそうな顔していきなり抱きつかれた。
「よかった…!目が覚めてよかったっ」
「ちょ、レッド苦しい…」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられて嬉しいけど身体が痛い。
「っ!嬉しくてつい。身体、大丈夫?」
「ちょっと痛むかな…。レッド、ここはどこのポケセン?」
「フスベシティ。グリーン達と一緒にチョウジタウンからここまで運んできた」
「チョウジタウンから…ってロケット団は!?私、意識を失ってからの記憶がないのだけど!」
ランスに投薬されてから記憶がない、だからこの怪我の原因がわからなかった。
「僕は途中から合流したから詳しい状況はわからないけど…心を閉ざされて道具になったジルチを止めるためにワタルのカイリュー、グリーンのウインディと戦ってた。そのあとは僕のピカチュウも参戦してジルチを止めた」
「え、私…3人に攻撃したの?」
「うん。僕らも止めるために…攻撃した」
記憶がないとはいえ、攻撃した事に罪悪感に襲われた。
「ジルチは気にしなくていいよ」
「でも…!!」
「無事に目を覚ましたんだ。それだけでも僕らは充分だ」
そっと頭を撫でられた。レッドがそう言うなら、と渋々納得した。
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