水の都の巫女 | ナノ


30

 ―チョウジタウン・怪しいお土産屋

俺も急いでワタルさんが言ってたお土産屋さんに走って向かった。

「イーブイ、ジルチさんを必ず助け出すから心配しないで?」

『ブィ…』

イーブイが俺と合流して事情を伝えてから元気がなかった。きっとその場でジルチさんを守れなかったのを悔やんでるんだと思う。
怪しいお土産屋の中へ入るとワタルさんがいた。

「あ、ワタルさ…」

「カイリューはかいこうせん」

カイリューのはかいこうせんが人に当たるか当たらないかのギリギリで壁に穴を開けた 。もちろん怪しい人は開いた壁の近くにぶっ飛んだ。

「遅かったね、ヒビキ君!やはりここからおかしな電波が流されてる。階段は……ここだっ!」

ワタルさんはメガネのおっさんを押し退け、大きな仏壇を蹴ると地下へ続く階段があった。

「うわぁ、容赦ない……」

「ヒビキ君!手分けして中を探ろう!俺から先に行くよ!」

ワタルさんはカイリューと一緒に階段を下りていった。

「イーブイ、俺らも行こう!」

『ブィ!』

俺らも階段へ下りたけど地下のポケモン像がセンサーになってて、したっぱがあちらこちらと現れてくる。
ほとんどイーブイが片づけたけどさすがに連戦して疲れていた。

「イーブイ、戦いすぎ。ここはマリルと俺に任せてよ」

イーブイは首を横に振った。

「イーブイに何かあったらジルチさんが心配するよ」

イーブイは尻尾を軽く振って下に続く階段に下りていった。

「…どことなくジルチさんにそっくりだなぁ」

手持ちポケモンはトレーナーに似るってウツギ博士が言ってたっけと思いながら階段を降りた。

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