28
イーブイは必死に走っていかりの湖を目指していた。
主人の言うヒビキ君は少しの間、湖の近くでバトルをするって言ってたからまだいるはず。そう思いながらゲートに向かった。
―いかりの湖
マツバの言う通り、チョウジタウンで何か起こると思って来てみたら怪しい電波が飛んでるのを確認した。それと赤いギャラドスの噂を聞いていかりの湖にやってきた。
「あの赤いギャラドス、どう考えてみても様子が普通じゃなかった…。やはり誰かの仕業で無理矢理進化をさせられてしまったのか……。君も噂を聞きつけてやって来たのかい?」
湖の近くで昼食を食べていた少年に聞いた。
「そうです。あ、友達も同じこと言ってましたよ。様子がおかしいって」
「本当かい?君の名前は?あと友達って誰だい?」
「俺はヒビキです。その友達はジルチさんって人でポケモンの研究を少ししてるんですよ」
まさかジルチがチョウジタウンにいるなんて…。
「そう、君はヒビキ君というのか。俺はワタル、君と同じトレーナーさ。ここの噂を聞きつけ真相を調べていたんだが……」
ヒビキ君と話しているとゲートから茶色のポケモンがこちらに向かって走ってくるのが見えた。
「あれは…イーブイ?」
「ん?あのイーブイはジルチさんの…」
何かをくわえたイーブイが物凄い勢いでヒビキ君に向かってきている。
『ブイィ!!!』
「うぐっ」
走ってきたイーブイがヒビキ君の横っ腹に体当たりをした。
「いっつぅ〜…。やっぱりジルチさんのイーブイだ!…どうして帽子を持ってるの?」
イーブイがヒビキ君に帽子を渡すと必死に何か伝えようとしていた。
「…ジルチさんが悪い奴らに連れていかれた!?それでジルチさんが帽子を持たせて俺の所に行くように言ったの?」
「何だって!?」
なんてゆうことだ。ジルチが拐われただと…!恐らく拐ったのはロケット団、そしてこの怪しい電波を出してるのもロケット団でほぼ間違いないだろう。そうなると非常にまずい事態だ。
俺はポケットからポケギアを取り出した。
「俺だ。グリーン、緊急事態だ。ジルチがロケット団に拐われた!すぐにチョウジタウンの怪しいお土産屋に来てくれ!!レッドにも伝えてもらいたいっ、先に向かう!」
こうなれば一刻も早くジルチを探し出して救出せねばならない!ロケット団がジルチを使って何かをする気なのは間違いない。
「ヒビキ君!よかったらこのいかりの湖の件とジルチの件、俺にちょっと力を貸してくれないか?」
「もちろんです!!」
「そうか、助かるよ!湖のコイキングたちはチョウジからの謎の電波で無理矢理進化させられている。そんな気がするんだ。そしてあの怪しいお土産屋……」
「ヒビキ君!俺は一足先にチョウジタウンへ向かってるよ!カイリュー!!」
『ギャフー!』
俺はカイリューに乗ってチョウジタウンの怪しいお土産屋に向かった。
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