06
ジルチは自分で作った花かんむりをピカチュウにのせて満足げにしていた。
「ジルチ、お昼にするわよー!」
オーキド博士との話が終わって母親は庭にいるジルチを呼んだ。
「はーぃ!ピカチュウ、また今度ね!」
『ピッカ!』
ジルチはピカチュウとお別れをして研究所の方に走っていった。
「お母さんとオーキド博士にあげる!」
「ありがとう、お花の指輪ね」
「庭に咲いた花で作ったのじゃな、上手にできたのぉ」
ジルチは2人に作った白い花の指輪をプレゼントした。
「そのかんむりもジルチが作ったの?」
「ううん、お庭の外からきたポケモンからもらったの!」
まさかポケモンから貰ったとは思わなく、2人は驚いた表情をした。
「ジルチちゃん、それはどんなポケモンじゃったかな?」
「えっとね…きらきらしてて、小さくて羽がはえてて、かわいいポケモン!」
ジルチはニコニコしながら答えた。オーキド博士は少し考えるとポケットにある図鑑を出した。
「この図鑑にそのポケモンはいるかな?」
ジルチは渡された図鑑のページをパラパラとめくったあとオーキド博士に返した。
「いないよ?」
「まさか新種の…ポケモンか別の地方のポケモン?」
「かのぅ…」
2人は新種か別の地方と思われるポケモンが現れたと考えた。
オーキド博士は紙と鉛筆をジルチに渡した。
「ジルチちゃん、そのポケモンの見た目をこの紙に書いてくれるかの?」
「うん!」
ジルチは一生懸命にそのポケモンを描いた。その様子を2人は黙って見ていた。
「できたよ!」
描きあがった絵をオーキド博士は受け取った。
「これは…タマネギ?」
「タマネギじゃないよっ!!」
オーキド博士の隣で絵を見た母親のタマネギ発言にジルチは違う!と怒った。
「うむ、見たことのないポケモンじゃの…」
「そうですね…見た目的に虫ポケモンか草ポケモンでしょうか」
2人は絵を見ながらいろいろ考察した。
「ねぇねぇ、あの子珍しいポケモンなのかな?」
ジルチはオーキド博士に聞いた。
「かもしれんなっ!もし幻のポケモンじゃったら大発見じゃぞ?」
「おぉっ」
幻のポケモンかもしれないと聞いてジルチは感動した。
「調べる前にまずお昼御飯にしよう。わしは腹がぺこぺこじゃ」
ぐぉぉぉ……とオーキド博士の腹の虫が鳴いた。
「ふふっそうしましょうか」
「ごっはーん!」
3人は研究所に戻ってお昼御飯を食べることにした。
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