16
風が窓を叩く音で目が覚めた。
部屋の時計を見ると11時を指していた。
「あー寝すぎたかも…」
水を飲もうと思ってベッドから起き上がろうとしたら腕に激痛が走って悶絶した。
「いったいっ!!二の腕痛すぎる…!筋肉痛辛い!!」
筋肉痛は覚悟をしていたけど本当に痛い。
「ゆっくり起き上がろう、動作もゆっくりと…」
力を入れすぎないように起き上がって机に置いてたペットボトルを手にした。
「はぁ…我ながら情けないと思う。朝ごはん食べたらジム行こう」
朝食を済ませてジョーイさんから湿布を貰い、ポケセンを出ると空は灰色に染まって風が強かった。
「…今日アサギに戻れるか不安になってきた」
帽子が吹き飛ばされないように手で押さえながらジムの扉を開けた。
「よっ!暴風の中でもやってくるとは流石だね、未来のチャンピオン!」
「嵐が来るのは知ってましたが…今日アサギに戻れるか気になりますね。はい、トレーナーカード」
「そいつは無理かもしれないよ?タンバの漁師は船を出さないみたいだし海にいるトレーナーたちも帰ってきたぐらいだ。はい、カントーのジルチさんね。タンバジムへようこそ、頑張れよ!」
「嵐が過ぎ去るのを待つしかないか…。頑張ります!」
滝に打たれながら座り込む筋肉質なおっさ…男性がいた。
「すみませーん!」
「…………」
「ジムに挑みに来たのですがー!」
反応がない。滝の流れる音で声が聞こえてないかもしれない。
「おっチャレンジャーか!シジマさんは修行中だから滝を止めないと相手してくれないぞ!」
滝の近くにいた空手王の人が話しかけてきた。
「どうやったらあの滝止めれますか?」
「それは俺達を倒して上にある2つのスイッチを押せば止めれるぜ!!」
上を見上げるとスイッチがあるのを確認した。
「…ならばバトルっ!!」
「簡単に通させないぜ!!」
空手王4人の相手をマグマラシとライボルトで片づけて滝のスイッチを押した。
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