水の都の巫女 | ナノ


15

 渦巻き島から出ると天気が怪しい感じがしていた。ルギアの言う通り嵐が来るかもしれない。

「急いでタンバに向かわなきゃ!!一夜過ごすどころか海の藻屑になっちゃう!」

シャワーズを出して筏を海へ浮かばせた。

「全速力で行こう!」

『キュル!!!』

シャワーズは全速力で泳ぎ、私は翌日筋肉痛覚悟の全力でオールを動かして…無事に夕方くらいにタンバシティに着いた。

「シャワーズ、ありがとう、お疲れ様…!」

腕がぷるぷると震えながらボールを取ってシャワーズを戻した。
筏はタンバの漁師さんに預けた。

「く、薬屋は…」

ふらふらになりながらタンバシティの浜を歩いていると看板が見えた。
[創業500年 薬の相談待ってます]

「ここがミカンさんが言ってた凄い薬屋…かな?」

周りの建物より少し古い家の中へ入ると眼鏡を掛けたお爺ちゃんがいた。

「いらっしゃい。お嬢ちゃん、薬を買いに来たんかい?」

「はい、アサギの灯台のデンリュウが体調を崩して…ここに凄い薬があると聞いたので来ました」

「わかった。そのデンリュウの具合はどんな感じやった?」

「確か…身体がぐったりしてて息が絶え絶えでした」

「うん、それなら………この薬やな」

お爺ちゃんが引き出しの中から薬を取り出した。

「この秘伝の薬をデンリュウに渡しや。代金はえぇよ」

「え?いいんですか?」

「えぇよ。アサギの灯台はタンバの者はみんなお世話になってるんやからな」

「ありがとうございます!」

秘伝の薬を鞄の中に直した。これでデンリュウの具合がよくなるはず。

「嬢ちゃん疲れた顔してるけど大丈夫か?かなり苦いけど疲れが吹っ飛ぶ漢方薬出そっか?」

「い、いえ大丈夫です。寝たら治ると思いますので!」

薬は苦手じゃないけどかなり苦いのは遠慮したいなと思いつつお爺ちゃんにお礼を行って薬屋を出た。
薬屋を出た途端、疲労感がどっと押し寄せてきたから今日はポケセンで泊まることにした。
明日タンバジム行ってアサギに戻ろうと考えながら早めに就寝した。


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