水の都の巫女 | ナノ


13

 水上で移動するのは初めてで最初は楽しかったけど徐々に体力が削られ、腕が疲れてきた。
イーブイは変わらない景色に飽きてボールに入った。

「海を渡るのにこんな苦労するなんて…」

シャワーズもさすがに疲れていたからボールに戻した。
それから1人でオールで漕いでいたけどずっと青い海しか見えなかった。
日が暮れる前に着きたいし海の上で一夜過ごすのは怖すぎる。

「…筏を引っ張りながら空飛ぼ」

どこ見渡しても青い海で人の気配がないから能力使っても問題ないはず。

「渦巻き島を目指していっちょ飛んでみるかな!」

縄を持って海に入らない高さで飛んで渦巻き島を目指した。

 しばらく飛行していると渦潮に囲まれた島が見えてきた。

「あれが渦巻き島か…4つのうちどれがルギアがいる場所だろ?」

渦潮を避けて4つの島に近づいてみた。

―ギャアァース!!

「っ!!今のポケモンの?」

ポケモンの鳴き声が聞こえて辺りを見渡したけど何もいなかった。
耳を済ませると波の音に混じって何か聞こえてきた。

「北東の島から何か聞こえる…?」

ルギアの鳴き声だったかどうかまではわからないけど北東の島の浜に筏を置いて洞窟に入ってみた。

「暗いな…ランプランプ…あった」

旅をしてるうちに洞窟に入ることが多くなったからコガネ百貨店でランプやロープ、携帯食料を一式買い揃えた。
ランプに火を灯して、ライボルトと一緒に洞窟を探索することにした。
野生のポケモンと戦いながら奥まで進んで行くと途中で道が歩きやすくなっていた。

「ここだけ妙に道が綺麗になっている…誰かここに来たのかな」

道通りに坂を下っていくとさらに奥に入る道ががあって中に入ると大きな空間があった。

「洞窟の中にこんな大きな滝があるなんて…!」

洞窟の中は滝に囲まれて不思議と明るく、神秘的な所だなと思っていた。

『こんなところに子供が来るとは…迷子か?』

滝の流れる音に混じって声が聞こえた。

「…迷子ではない、かな」

『ほぉ?』

滝から何かが飛び出してきて水飛沫が上がった。

『迷子ではないなら何の用だ?』

現れたのはルギアだった。
ルギアは水面に浮かびながら私を見下ろした。

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