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※ 後天的女体化




うたたねから目が覚めたら、恋人(♂)の性別が変わってました。


Why何故。そんな非現実的なことが起こるなんて……GJ!
今にも鼻血が出そうな鼻を根性で抑え込んだまま、とにかく状況確認。

服は昨夜着ていたもののままだが、身長が若干縮んでいるらしくぶかぶかである。
容姿に大きな変化はなし。以上特記事項なし。
感想。彼氏Tシャツみたいでエロいです、はい。



[みょうじは幸村(♀)と遭遇した]
[→襲う]
[襲う]
[襲う]
[襲う]





「――――ということで、襲わせていたd「取り敢えず、触覚からいっとこうか」
「ごめんなさい嘘です五感は奪わないでくださいごめんなさい」
「…一先ず俺から離れろ、けだもの」
「けだものとかひどッ!」
「鼻血押さえ切れてないし、つか……太腿を撫・で・る・な!」


力強い張り手を左頬に食らって、握力は元(♂)の時に同じ。
声は女子特有に高くなっているようだ。
あ、引いた眼差しは普段の3割増しでございます。
そんなに軽蔑の視線を投げなくても良いと思うんだ。


「可愛い幸村が悪い!」
「知るか。俺はいつだって可愛い」
「ああそうだったね」


若干ドヤ顔になった幸村の台詞に即行で頷くと(だって本当のことだし)、少し嬉しそうに頬を緩めた。
だから、そういう仕種が可愛いだって!


「……で、問題はどうやって戻るかだ」
「あ、どうしてなったかは考えないのね」
「考えたところで、既になってしまったんだから無意味だろ」


ベッドの上で腕を組んだ幸村は一端表情を引き締め、本題に移る。
俺としては何故こうなったのかも気になるところではあるのだが。
因みに俺は床に正座しております。一応ここ俺の部屋なんだけどな。
そうして頭を捻ること数10分。これといって何も浮かばない。


「……いやいや、どうやって幸村が女になったかも分かんないのに戻り方だって分かるわけなくね!?」
「ということは、……俺は一生このままってこと?」
「!っそ、それは」

肯定も否定も出来ず、言葉に詰まってるとみるみるうちに幸村の纏う空気が沈んでいく。
表情に一切の変化は見られないがそれは虚勢でしかない。そんな幸村が見たくなくて。
咄嗟に抱き締めてしめると、びくり、と腕の中で丸くなった肩が跳ねた。


「幸村が男だろうが女だろうが関係ないから」
「みょうじ……」
「だから、そんな……!」
「……?みょうじ、?」
「……幸村、」
「な、なに」
「お前、意外と胸あr「――――死ねッ!!」


額に青筋立てた幸村の渾身右ストレートが無防備な俺の左頬にクリーンヒット。
敢え無く俺の視界はフェードアウトしていった。
そして、消えていく意識の中で「台無しだ……馬鹿、」なんて幸村の声が聞こえた気がする。




ああなんてこった!
-敢え無くも一時の夢-



(えええ、なんでもう戻ってるの!?)
(知るか。寝たら戻った)
(、そんな……orz)


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