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「で、何で部員に説明してないわけ」
「スマンなぁ、忘れとったわ。コケシやっから堪忍したってや」
「コケシなんかいるか阿呆。物事には順序っちゅーもんがあるやろ」


さて、ただいま私渡邊なまえは兄貴渡邊オサムを説教中でございます。
全ッ然反省の色が見えへんけどな。
いっぺん死んでくれば良い。
そしてオレに全力で土下座でもすれば良い。


「なまえー! 今からオレ白石と試合すんねん! 見たってやー!!」
「ええでー、頑張りやー。つか皆頑張りやー」
「めっちゃ適当やんな」


お前に言われとーないわ。
ぼそりと呟いた兄貴を問答無用で足蹴にする。
そしてそのままぐりぐりと足の下敷きに。

暫く兄貴で遊んどると視界に飛び込んで来た黄色い軌跡。
最早球の外郭は目視不可。
てか。


「何やねん……あの少年」
「凄いやろ。金ちゃんは天才野生児やからな」
「ほー……」




天賦の才能ってやつ?
-恐ろしや恐ろしや-



(で、オレはいつまでこの格好なん?)
(オレの気が済むまでや)




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