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今日は暑い。
天気予報によると明日はもっと暑いらしい。

有り得ない。
折角の里帰りを台無しにする気か御天道様は。

とそのとき、前方に四天宝寺生発見。
調度良いテニス部まで案内してもらお。


「ちょっと、そこの天パ少年」
「……」
「無視かーい。君や君」
「ん、誰ね」
「ちーっと四天宝寺テニス部に用事があるしがないおっさんさ」
「……、あんさん一体何歳たい」


おっさんという形容が不思議だったのか、目の前の少年はまじまじとオレを見つめた。
そんなに見られると困るんやけどな。
どーせ、歳相応に見られたことなんかないやい。


「24」
「24とか……いっちょん見えなか」
「童顔って言いたいんかコノヤロー。中学生の平均身長大幅オーバーしおってからに」


そこまでは言ってない。
的な表情をしたものの敢えて(というのは想像だが)口には出さず、代わりに疑問を呈してきた。


「ところで」
「スルーかオレの話はスルーか」
「テニス部に何の用たい」
「……兄貴に里帰りついでに部活を見に来いやって泣き付かれてん」


「……兄貴?」
「ああ、ここの顧問。あれオレの兄貴」
「、え……は?」
「あっれー? あの人伝えてないんか」


呼んどいて信じらんねー。
明後日の方向に顔を向けてぼそりと呟く。
これは足蹴の刑決定やな。




知らなかっとよ
-だってこんな-



(ま、これから三日間宜しく頼むわ)
(……三日間はちゃんと参加するったい)




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