short | ナノ
※小スカネタ※




夕食を済ませてのんびりと居間で食後を過ごす。
こののどかな空気が好きだった。
そのまま良い雰囲気になったら事に及ぶこともしばしばあって。
今日も例外ではなく多少の期待はしていた。

でも。


「みょうじさっ……ゃ、いやや……ッぅ……あか、っ」
「大丈夫、そんなことで嫌いになったりしないから」
「そ、ゆ問題じゃな……っぁ、く……――は、ふ……ぁ……ッ!」


今は猛烈に止めて欲しい。
俺は今、非常にトイレに行きたくて仕方がないのだ。
健康のために一日に2L近くの水分を摂っている俺は定期的にトイレに呼ばれる。

今が正にそのタイミングだった。

なのにみょうじさんはあろうことか行かせてくれない。
それどころか、俺の服を剥ぎ取ると太腿や腹を撫でたり、直接中心を弄ったりと排泄を煽ってくる。
快感の混じった排尿感に冷や汗めいたものが背筋を伝った。

吐き出したい。
でも、ここでするわけにはいかない。


「か、んに……っしてや……! ゃ、ぁ……ッあ、……んん!」
「はあ……かわい……」
「かわい、ちゃう……わ! ッひ、止め……押さんで、や、ぁっ……ぅ」


まるで楽しむかのように腹部を押してくる。
せり上がって来る尿意を堪えればむず痒くなる下腹部の奥。
しかも、指ではしたなくも上を向く俺のものの裏筋を触れるか触れないか位の感じでなぞってきて。
びく、快楽にひどく弱いこの身体は素直に反応を示す。

このまま一回でも強い刺激が来るときっと俺は耐えられない。
そして今この状況を変えられるのはみょうじさんだけ。
今すぐにでも全て果ててしまいそうな下半身に力を込めて、後ろから抱き締めて離さないみょうじさんを仰ぎ見る。


「や……ッみょうじさ……ホンマに、嫌っ……トイレッ、行きた……っ、ふ……!」
「んー……しょうがないなぁ…しっかり掴まってるんだよ?」
「え? ぁ……や、みょうじさんっ」


やっと願いが聞き入れられた、と思ったら姫抱っこされて激しく狼狽える。
そして、連れていかれた場所に更に顔を青くさせた。


「ここなら安心して出せるから」
「こ、こッ……風呂、やないかぁ! ッあぁ、ちょ、待っ……くッ、ゃ、ぁ」

俺が怒鳴るよりも早くみょうじさんの指が先走りを絡めて後孔に侵入してきた。
必死に耐えようと我慢している俺を嘲笑う様に強くある一点を押されて、ごぽっと先端から溢れる精液。
何とか堪えたけど、頭が可笑しくなりそう。

とにかく吐き出したくて吐き出したくて、襲い掛かる尿意の波に思考は完全に呑み込まれ始めている。
もうそろそろかな、なんて呟くみょうじさんの言葉も左から右へと素通り。
与えられる刺激はどれも尿意を促す要因にしかなり得なくて、もう我慢の限界やった。


「ひ、ぁッ……みょうじさっ、も、無理、む、りっ……ぁ、っふ、」
「白石くんの恥ずかしいとこ、全部見せて……?」
「ッ!! あか、……見んでッ……ゃ、出るっ、ぁ、あぁ、ぁああ……!」


前立腺と膀胱の丁度隙間をぐりっと抉られてだめ押しに腹部を強く押されて、痙攣した下半身。
緊張感が快感に掏り替わる。
膝を折り曲げたまま足の爪先をきつく丸めた状態で暫く俺は固まっていた。
雄の臭いに混じった鼻に付く排尿時独特な臭い。
薄黄色の水っぽい液体に不均等に混じる白濁とした液体が排水溝に吸い込まれてく。

やっと解放された。
そう全身が脱力し、ほう、と息を吐いたところで現状を認識してかっと顔に熱が集まった。
自身の醜態に目も当てられない。


「……っふ、ぅ……――最ッ悪や、こんなん……っ!」
「どうして? 可愛かったよ?」
「やって、やって……ッ、みょうじさんの前で……俺ッ……ぅ、っ」
「俺が強要したんだから、白石くんは何にも悪くないよ。大丈夫」


それより、そこで言葉を切ったみょうじさんを不思議に思って怖々と見上げて。
ぞくりと腰が疼いた。

欲情した眼。
温厚なみょうじさんが情事中にしか見せない強引な眼差し。

更に、後孔に熱く滾ったみょうじさんの性器が押し付けられれば、俺に逆らう術もなく。
了承の意を込めて首に手を回し、お互いが目を細めたのを契機にどちらともなく唇を寄せた。






「あっ――みょうじさッ、激し……っふ、ンぁ……ッあぁ、ぁ、!」
「白石、くん……! ぅ、ぁ……」
「ひぃ、ぁッ、んんっ……、ぁ……イくッ……イッ、く、ぁっ――ぁ、あッ!」
「……っは、……!」


男にしては高めの声が浴室に反響してほぼ同時に達した俺ら。その余韻に酔いしれながらまた口を触れ合った。




ランアウト・ドロップ
-上から下から、緩やかに-



(みょうじさんホンマ意地悪や……っ)
(白石くんが可愛いからつい、ね)
(全く……でも、みょうじさんやから許したる)
(ん、ありがと)


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