short | ナノ
case2:幸村家の場合



PM 12:10



「よし! 午前の練習はここまで。午後は1時間後に始める」
「「「はい!」」」

「……ふー……」
「相変わらずのスパルタだな。俺には無理だ」
「!? っえ、兄さん…?」
「よっ」
「何で、ここに……今日は休みじゃ」
「うん。そうなんだけど……精市弁当忘れただろ」
「え? 嘘、ッ……ごめんなさい」
「はは、気にすんなって」
「でも、兄さん久し振りの休みなのに……」
「……実はさ、弁当は建前で……本当は精市を見に来たんだ」
「兄さん……!」(がばっ←抱き着いた)
「おっと……! こら、急に抱き着くのは止めなさいって言ってるだろー」(ぎゅう←抱き締め返す)

「……兄さん」
「んー? どした?」
「午後からレギュラー同士の試合があるんだけど、その……」
「俺、精市が試合してるとこ見たいなー」(にっこり)
「ッ本当!? 俺、頑張る……!」
「おお、楽しみにしてる」


「……部長、変わり過ぎじゃねっすか」
「うむ、むしろあの変わり幅が精市の通常だ」
「幸村はなまえさんの事を心から尊敬しているからな」
「へー……幸村くんの兄貴初めて見た」
「つか、今以上に頑張ってどうすんだよ……」



***



「――……ッはあ、!」
「……っ、……!」
「ウォンバイ、幸村! 6-0!」
「……っし……!」
「お疲れ。はい、タオル」
「あ、ありがとう……っ」
「カッコよかったよ」
「〜〜〜〜ッ、」(真っ赤)


「……真田、生きとるんか?」
「御愁傷様ですね」



case2:幸村精市は兄に対しては白かった、まる。


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -