short | ナノ
右手は俺の顎を捕らえたまま、左手が反応し出した中心を愛撫。
やわやわと服の上から揉みし抱く手付きに頭の中が次第に蕩けていく。
敏感な部分を掠める度に内腿が震えて、今にも崩れ落ちそうなのを堪えるのが精一杯。


「、やッ……んっ、は……ッ、待っ……なまえ、手離し……ッあ」
「それはどっちのことだ?」
「ッひ、ん……ど、ちも…ああッ! あ、っ……」


嘘吐き、囁き声と整った顔がいつの間にか耳ではなく至近距離にあって。
なまえの唇が緩やかに弧を描いた。
じわ、感情と生理的なものが相まって視界が歪む。

恥ずかしい。恥ずかしくて堪らない。

快楽に浸る締まりのない顔。
半開きの口から垂れる唾液。

それをなまえの眼前に突き付けるなど。



「ふあ、あ……ッ……や、見な、で……ぅあ!」
「雅治、泣くな」
「っ、なまえ……ぅあ……なまえッん、ぁっ……」



喘ぎに嗚咽が交じって、滲んだ涙が頬を伝い流れる。
それを掬うようになまえの舌が頬を這って目元に唇が寄せられた。
困ったように俺の名前を呼びながらその動作を繰り返すなまえ。


「……少々悪戯が過ぎたか」
「違っ! なまえは悪くなか……」
「……なら、雅治はどうして欲しい?」
「っん……ぎゅっと、して」


そう言えば本当にその通り抱き締めてくれて、顎に添えていた手は頭に前を弄っていた手は腰に回った。
でも、それは今までの行為が終わったということ。
急に無くなった刺激。
もどかしさに太腿同士を擦り合わせる、が物足りない。


「ふぁ、……なまえっ……は、ぅ」
「雅治、どうした」
「なまえ、前……まえッを、弄って欲しい、ナリ……ん」
「さっきと同じで良いのか?」


耳元で低く囁かれるだけで中心に熱が集まって殊更強く抱き着く。
どくどく鼓動する性器が早くと脳内に訴えかけてきて、蕩けた思考ながらに口を開いた。


「や、ぁ……直接……触って欲し、っ……イきたッい……」
「分かった」


はっきりと言い放った肯定の言葉が浸透する前になまえの手は制服を寛げ始めていて。
慣れた手付きにやはり心臓は急くばかり。
はあはあと息荒くする俺とは対照的になまえは緩く微笑を浮かべている。
余裕綽々。同い年なのに。


「ッあ、! んんっ、ぅ……はッぁ、あ……!」
「気持ち良いか?」
「んっ、ぅんッ……気持ち良か、っひ、ぅぁ……ふあ、ッ」


男らしい大きな手の平が優しく俺のを包み込んで、上下に擦り出した。
待ちに待った直接的な快感。
それに悦び震える中心はだらだらと先走りを溢して、卑猥な音を立ててなまえの手を汚す。
五指の不規則な動きが堪らなく気持ち良くて、腰が砕けそうだ。


「あっあ、や、ッ止まらな、……は、ぁッん……!」


決して与えられるそれが物足りない訳ではないのに。
もっとと言わんばかりに腰が揺れる。
その動きに釣られてなまえの手に纏わりついていた精液が周囲に飛び散った。
浅ましい身体が見るに耐えず必死になまえに抱き着くことで堪える。


「んっぁ、も……イくッ……ぁッ、ぅ」
「相変わらず綺麗だな、雅治は」
「っ、ひぁ……なまえッ、なまえ……! ンぁ、」


弄る手付きをそのままにぐちゅと耳で鳴った音。
また、やられた。
だけれどそれに抗議の声を上げる余裕が今の俺にあるはずもなく。


「愛してる、雅治」
「! あ、ぁぁッ、ひ――……ッぁあ!!」


真っ白になった思考と視界。
俺は温かいなまえの腕の中でイった。




pleasant place
-手放せない-



(っはぁ……俺も、愛しとうよ)
(ん、知っているさ)
(ふぁ、……なまえ……もっと、っぁ)


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