short | ナノ
窓の外は随分前に暗くなったように感じる。
誰も居なくなった部室。
残っているのは俺となまえだけ。

火照った身体に荒い息遣い。
全身から噴き出す汗は部活によるものではない。
それは背後から打ち付けられる昂りによる熱からであって、俺が望んだものだ。

必死に縋る机はガタガタと音を立てて揺れるが、部室に響く水音には遠く及ばない。


「……っは……大丈夫、か?」
「ッぁ、ん……! はぁ……だ、じょ……ぶ、ぁあ! ……っふ、なまえ……なまえっ」
「っ、んー……?」
「、も……出、ッ――あぁあッ!」


吐精を知らせ切る前に頭の中が真っ白に弾けて、解放感が一気に押し寄せる。
吐き出す瞬間に全身が強張ったのに促されてか、なまえも息を詰めて俺の中へと吐精を果たした。

勢いを失った残滓はポタポタと力無く床に滴下。
床が汚れてしまった、なんて思考が散らばりながらも思うあたりまだ余裕があるのかもしれない。


「っはあ、さいっこー……」
「……ッ、……ぁ……」


耳元にかかる熱い吐息は未だに興奮を孕んでいて、思わずこっちまで息が溢れる。
射精直後の身体は敏感でしょうがない。
なまえの熱っぽい吐息や労る手付き、穿つそれを抜く際等の全てに反応してしまう。

別段嫌ではないが厄介だとは思う。


「……あ、やば……」
「ん……どうか、した?」
「また、中出ししちまった」
「ッああ……そんな、ことか……」


唐突になまえが焦った声色で後孔を蹂躙していたものを抜き去った。
排泄に酷似したその感覚に、やはり感じたのは僅かな快感。

更には後孔に入っていたなまえのが無くなって中から精液が肌を伝って漏れ出てくる。
量自体は微々たるものとはいえ、いや寧ろ微々たるものだからこそ伝う感触がむず痒い。
違和感と快感の丁度中間のような感じ。
無意識に上がりそうになる呼気を落ち着かせようと躍起になっていると突然、背後の空気が動いた。


「っ、なまえ……?」
「精市、机に確り掴まってろ」
「え? 何す、――ッひ、あ?!」


こちらの問い掛けを聞き終わる前に行動はなされた。
あろうことかなまえは太股を大きく左右に開かせると、だらしなく白濁とした液を漏らしているそこに口を寄せ中身を啜り出し始めたのだ。
思いもよらない行動に遅れを取った俺に振り返って彼を阻止する余裕はなく。




「やっ、ぁ、あッう! ちょッ……なまえッ、止め……止、っはあ……っ!」




耳を塞ぎたくなるような音と、未知の感覚に腰が震えるばかり。
最初こそ身体を支えていた腕も段々と曲がっていき、遂には机に突っ伏す形になる。


「ん……っは、もう少しの我慢だ」
「! 無理ッ、むり……っも、立てな……ッァ、ん、ッああ!」


ガクガクと膝が笑っているにもかかわらずなまえは全く止めようとしない。
それどころか、たまに口を離し掻き出すように指を入れてくるものだから困る。
掻き出す指が悪戯に前立腺を掠めるたびに否応なく背筋に刺激が走るのだ。
お陰で萎えたはずの俺のは再び熱と硬さを持ち尖端からは汁が溢れつつあった。


「っなまえ、音……ッあ、嫌、っだ……ひ、!」
「我慢しろって……も、ちっと」
「あ゛! や、なまえ止め……ッイく、んっ、イっく――……ひ、ッぁあ!」


じゅる、耳に付く嫌な音と共に一際強く吸われて俺は大きく仰け反った。
そしてそのままなまえに支えられながら項垂れる様に膝を折って床にへたり込んだ。

最悪だ。
恥ずかしさのあまりにどうにかなってしまいそう。

息は整わないし、声の上げ過ぎで喉が痛い。
何より下半身に力が入らないのが一番最悪である。
明日の部活どうしてくれるんだ。


「さ、精市。身体拭くぞ」
「……は……」
「ん? 何か言ったか?」
「ッ少しは、俺の身体の事も考えろ! こッの馬鹿!!」


ッバチン!

俺の身体の状態なんかまるで無視したなまえの物言いについカッとなって。
清々しい笑みを浮かべるなまえの横面を叩き倒した。
これぐらいやっても許されるはずだ。




後処理事情
-他にやり方があるだろ!-



(え? ええ? 何で俺殴られたの?!)
(自分で考えろッ!)


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -