色々仁王から仕掛けられては何とかやり過ごしてきた俺だったが今その努力も無駄になりそうです。
雅治の家にお邪魔して数分もしないうちに馬乗りされ、正直辛い。
「……あのう仁王さん……一体何を……」
「なまえを押し倒しちょる」
「ですよね……で? え、俺試されてる?」
「据え膳食わぬは男の恥なり」
にやり、腹の上で怪しげに口角をつり上げた雅治。
「……本当にいいのか?」
「痩せ我慢とからしくないぜよ」
「おま……じゃ、いただきます」
「プリ」
居間から寝室に場所を変えて早急にベッドに組み敷いた。
半開きのカーテンから射し込む淡い光に雅治の銀髪がキラキラ反射して実に綺麗。
運動部とは思えない程の白い肌に映える赤い唇。
それに引き寄せられるように唇を寄せた。
「……ん、」
「んぅ、……っふ……は」
頃合いを見計らって口を離せば酸素を取り込もうと浅く呼吸する唇が目に入る。
その唇は唾液に濡れ、妖艶でエロい。
まじまじと見ていると首に回された腕に力が籠った。
心成しか目が潤んでいる様にも思える熱い眼差し。
「は、やくっ……」
更に身体を密着させてきて低体温の雅治の身体が仄かに熱い。
ご希望通り行為を再開させて俺の手は服の内側に滑り込む。
這うように動かしたり胸の飾りを弄るのに反応して身を捩らす雅治に気分を良くする俺。
ホント俺って単純。
「、っン! ……ぅ、ぁッ」
「雅治かわいー」
「ふ、……っ、ぁぅ……な、か変……っ!」
「だーいじょぶ。これが普通だから」
不安そうに瞳を潤ませた雅治に笑いかけて右手は下へ左手は安心させるように頭へ添えた。
するりと髪留めを解いて少し長めの髪を梳けば力が入っていた肩から力が抜ける。
その隙に緩く勃ち上がったそれを握り込めば先端部の窪みから溢れる粘着質の体液。
「ッンぅ……! は、……ゃ、ぁ」
「ん、一回イっとこーか」
「え、ぁッ……ああ!」
掌に吐き出されたそれを眺めて目下で必死に息を整えようとする雅治も眺めた。
どう考えても標準男子よりも細いその身体に果たしてこの行為が耐えられるのか。
本気で心配になる。今なら、まだ。
「……、なまえ」
「なに、んっ!?」
「、っは……ふ、ぁ……ッ」
息が辛くなったのか向こうから仕掛けて向こうから離れた。
唇と唇を一時繋いで切れた唾液。
それは雅治の顎を伝り上気した頬は完全に染め上がっていて、しかも誘う様に薄く口を開く。
「はぁ、……俺は、だいじょぶ……やけん」
「雅治……」
「男、みせんしゃい……!」
こんなこと言わすなっ!なんて恥じらうかのごとく目を伏せる。
こいつは一体どこでこんな誘い方を覚えて来るのだろうか。
するりと首に回された腕はやっぱ細い。
「ンんッ! ……ん、ぅ……ふ」
自身の舌と唾液をふんだんに使って後孔を解す。
雅治は自分の上げる声を聞きたくないのだろう、手の甲を押し当てて必死に声を抑えていた。
欲を言えば雅治の声聞きたいんだけど、この後存分に啼かせるからと取り敢えず放置。
「……ん、……これぐらいなら入る、かな」
程良く解れたであろう後孔は俺の指を容易く呑み込んだ。
「ッん、ぅ……は……っぁ! ゃ、……っ」
「雅治ー指増やすぞー」
「ん、……ふぁ、んッ……ンあ」
こくりと頷いたのを視界の端で確認してから既に挿入を果たしている指に添えて指を増やした。
「、ふ……んん、……ぅ……! ッひ、ああッ!」
「ど? ここ気持ち良いだろ」
「ぅあ、……ンッ……や、ぁあ……っはぁ」
あからさまに大きくしなった身体を抱き締めて「ヤバ…」と呟く。
どうやら俺の息子さんはそろそろヤバいらしく、早く中に入りたいと主張していた。
3本が少し楽に動く程度に解れたところで指を引き抜く。
俺の耳元で吐き出された甘さを含んだ吐息に我慢も限界。
「雅治、挿れるぞ……」
「ぅ、ん……ッは、ぅああ! ……う゛ぁ」
「キ、ツ……まさ、力ッ……抜いて」
「むり、む……ッりぃ、……! いた、ッァ……ッ!」
首に回された腕が力なさ気に震えて、声も辛そうだ。
少しでも気が紛れる様にと耳を舐めて、前も再度弄りだしてみる。
それを繰り返せば不意に痛いほどに締めていた中の圧迫感が和らいだ。
その好機を逃す手はなく。一気に俺のを全部奥まで押し込んだ。
「うあ……、ぁ……っは、ぅ……」
「ッ雅治、ゆっくり息……吐いてっ」
「ん、……っはあ、ぁ……、ぁ」
雅治の深呼吸が数回繰り返されたところでゆっくりと律動を始める。
途端に強張る身体をするりと撫で安心させるようにキツく抱き締めた。
「ふ……、ぁッ……んん、ぁ、……ひ、あぁあ!?」
「……みっけ」
「あぁ、あッ! な、に……ふぁっ、ン、ァッ」
「さっき、ッ気持ち良かったとこ……!」
奥を突き上げる度にきゅっと吸いついてくる内壁に限界が近付いてくる。
雅治の中心も先端からドロドロと溢れて今にも達してしまいそうだった。
「! ……あ、もッ……やぁっ、ぁあ、出るッ、……でるっ!」
「っく、……っ!? ちょ、雅治ッ」
「なか、にっ……出しんしゃ、ッあ、ふ、ああッ!!」
「……っぅ、あ……」
流石に中出しは不味かろうと腰を引こうとしたら、それを阻止せんとばかりに両脚が腰に絡みついてぐいっと奥深くを抉った。
それが契機となって雅治の精液は俺らの腹の上に俺の精液は雅治の中に吐き出された。
「腰と尻が痛いナリ」
「誘ったのは仁王さんですよー」
「……分かっちょるよ」
身体を綺麗にしたところで同じベッドに横になって、さっきまで散々痛いと言っていたのに今度は「寒い」と一言呟いて擦り寄って来た。
最早慣れた行動に抱き締めれば普段通りの低体温。
情事中のあの温かさが嘘のようだ。
変温動物
-行為で体温が変わる-
(次からは自分から仕掛けるんじゃよ)
(うん……、は? え!?)
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