予定調和の一ページ

「うおっ!?」

 繰り出された拳を避ける貴方に、そうなると思ったと諦観を口の中で転がした。
 心臓のあたりを押さえて睨めている彼に微笑む。成功したかしら。呆れた顔をして、あんたも懲りねェなといってくれたら。

「ほんと、好きだねェ」
「貴方が私を?」
「なわけねェだろ」

 近い言葉を選んでくれた貴方も私も、なにひとつ変わらない。
 心地いいのが気持ち悪いのを、貴方も感じてくれていたらいいのに。


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