小春+ミキ 「良くも悪くも、魂はみんな同じ」 ミキさんは一息の間で呟いて、は、と肩を震わせた。勢いよく上げられた紙袋の顔は涙目のそれに変わっている。 「こ、個人の考え、なので……! でも、そう思いませんか。怪異は、貴方の友人がいうような存在じゃない」 名前を変えても人は人。そう彼は吐き捨てた。 「死んだって改心できるわけじゃ……ない」 横目に映る、地獄行きの道を歩く獄卒と彼らの連れは――確かに、現世でもよく見かける光景だった。 「だけど、それが、僕にとっては、……愉快だなと。そう、思うんですよね……」 ――仕事終わりに疲れたなんていうのも生者のそれですし。 [前][目次][次][小説TOP][TOP] [しおりを挟む][感想フォーム][いいね!] |