吸血鬼の執事に血を吸われる話

■背景
吸血鬼の友達兼執事と暮らしている貴方。
買い物から帰ってきた彼に、貴方はあるお願いをして……。
(元キャラ:夜金健太郎)



(買い物から帰ってきた彼)
ただいま〜っ!
はー……疲れたあ〜っ。
袋ギッチギチで重いよ〜っ。
腕いた〜い……。

(レジ袋を持ってあげる貴方)
え、お嬢様!?
いーよいーよ、おれに任せて!
すっごい重たいもん。
お嬢様に持たせるわけにはいかないよー。

("一つだけでも"と貴方)
えー……?
うー……。
じゃあ、一つだけね?
ごめーん、ありがとー。

(テーブルに袋を置いていく二人)
ふぃー……これでいっかなー。
他にもやることいろいろあるけど……。

……うう〜〜っ!
も〜疲れた!
ちょっと休む!
決定!

そうと決まれば……お嬢様?
家の中だし、羽広げていいよね?

(うなずく貴方)
やった〜! ありがと〜!
それじゃ、失礼して……っと。
は〜……落ち着く〜……。

(吸血鬼の羽を出現させる彼)
生きていたころに擬態するの、めっちゃくちゃ疲れるんだよねー……。
正直でかくてうざったいけど、羽出してるほうが全然楽。

んでも、寝るときだいぶ不便なのがな〜……。
仰向けだとコリッてなるときあるし……。
吸血鬼ってなんでみんな羽生えてんだろ?
抜いてもいいのかな〜……。

(彼の背中に生えた羽を見つめる貴方)
……お嬢様、どしたの?
え、なになに。
なんか変なとこある?
おれなんかした!?

("本当に吸血鬼なんだね"と貴方)
え、うん、ほんとのほんとに吸血鬼だよ。
なんだよー、今更〜?

(大きく口を開ける彼)
んあ……。
ほら、見て見て。
犬歯! すっげ尖ってない!?

普通より鋭い人、いると思うけどさー。
おれの、特別鋭いじゃん。
吸血鬼になってからこうなったんだよ!

吸血鬼っていうか、なんだっけ、眷属?
よくわかんないけど、手下的なやつになったんだよねー。
仕事の帰り道に襲われちゃってさ。
気づいたら死んじゃってたし、眷属からも外れちゃってた。

仕事も仕事で、ブラックもいいとこだったかんさー。
お嬢様に仕えることができて、今すっごい楽しい!
……友達に……執事にしてくれてありがとう。
……へへ。

(照れくさくなりながら"吸血鬼って血を飲むんだよね"と問いかける貴方)
血?
うん、飲むよー。
普通の食事で生きていけるけど、比べたら全然違うみたい。
おれはあんま好きじゃないけど……。

え、だってまずくない!?
まず見た目がグロいし、独特な味がするし。
鉄分入ってる飲み物だって、変な味がするから避けちゃうしー……。
お肉とか野菜とか、そういうので生活できるならそうするじゃん!

("漫画とかでよく見るトマトジュースとかは?"と貴方)
トマトならどう……って。
トマト!?
トマトってあのトマト!?

やだやだ! ぜーったい嫌!
トマト食べるぐらいなら、血ぃ飲んだほうが百倍マシ!!

げぇ……。
なんか口ん中にトマトの味が広がってきたぁ……。
きもちわる……。

(彼の態度に苦笑したあと、考えこむ素振りを見せた貴方)
トマトなんて大っ嫌い……。
……ってあれ、どしたの。
難しい顔して。

("噛まれたときの感覚が知りたい"と貴方)
噛まれたい!?
え!? なにいってんの!!
吸血鬼に噛まれたっていいことないよ!
痛いし、痕は残るし、メリットとか一つもないよ!?

("眷属になったりしちゃう?"と貴方)
えー……?
んー……眷属にはならないけどぉ……。
だって、"したいな"ーって思いながら噛まないとならないもん。
噛んだだけじゃ眷属にはならないから、そこは安心だけど……。

でも痛いよ!?
場所によっちゃ、なんか……絵面が変だし!
万が一眷属になったら、ずーっと生きてかなきゃいけないんだよ!?
それはそれで楽しいけどさ〜……。
たまに辛くなっちゃうとき、あるんだよ……。

("一回だけ"とお願いする貴方)
うう〜……。
ずるいよ〜、そのおねだり……。
…………いーの?
おれ、お嬢様のこと大切にしたいんだけど……。

…………わかった。
一回だけだよ?
お嬢様に怪我させたくないもん。

(貴方の首筋に口を寄せる彼)
じゃあ、噛みま〜す……。
チクってするよ〜……。

(首筋を噛み、流れてきた血を口に含む彼)
……う。
血……が、口、中に……。
お嬢様のこと好きだけど、でも、まず……。

(血を舐める音)
…………?
はれ……?
でも、なんか……。
独特な味、する……けど……。

あまい、ような……?
……癖になる……っていうか……。
…………おいしい。

え、おいしー!
なにこれ!?
ね、ちょっと吸わせて!
おねがいおねがい!

(困惑しつつもうなずく貴方)
やった〜〜!
いっただっきまーす!

(血を舐める音)
わは〜〜っ、うま〜っ!

えっ、なんでこんなにおいしいの!?
ふっしぎ〜……!

(血を舐める音)
んん〜っ、美味〜っ!

(血を舐める音/長め)
…………んん……。

……あたま……くらくら、する……。
おじょうさまのち、おいし……。
……あまい……。

(血を舐める音/長め)
(逃げようとする貴方を止める彼)
……おじょーさま?
なんでにげるの?
なんで我慢してる顔してるの……?

まってよ。
まだ……まだたりない。
おじょーさまのち、ほしい。
…………もっとちょうだい。

(血を舐める音/長め)
……はっ……。
おいしっ……おいしー……。
おじょーさまのち、こんなにあまかったんだ……。
……は……はっ……。
…………はあっ……。

("ガリッ"と力強く噛んでしまう彼)
――あっ?
…………あ〜〜!!
あっ、あっ〜〜!!
血! 血が〜〜っ!!

ごめんね!? ほんとごめん!!
絶対痛かったよね!?
えーとえーと……!
消毒薬、消毒薬……!

(薬と絆創膏を持ってきた彼)
ううう〜……。
お嬢様、ごめんなさぁい……。
これで治るといいんだけど……。

(眠くなってきた貴方)
……お嬢様? 眠いの?
もしかして、おれが血を吸いすぎたから!?
あわわっ……!
ほ、ほんとにごめん、そんなつもりじゃ〜……!

("元から眠かっただけ"と貴方)
……ち、違うの?
今何時……。
って、すっごいいい時間じゃん!

え〜、じゃあおれも寝よっかな〜。
なんか頭ぼーっとするし……。
……お嬢様のこと、抱き枕にしていい?

……しちゃお!
一緒に布団かぶろ!
ねっ!

じゃ、ベッドへれっつらご〜!
……ふあ……ねむ〜っ。
いーっぱい寝よーね……。

…………で、さ、お嬢様。
そのぉ……。
先に謝るんだけどぉ……。

……寝ぼけて噛んでもゆるしてね?


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