デスゲームの黒幕に耳かきされる話

■背景
デスゲームで一人だけ生き残り、黒幕である青年に閉じこめられた貴方。
そんな貴方のもとにやってきた彼が耳かきをすると言いだして……。
(元キャラ:犬飼ロク)



(足音/扉を開ける音)
やっほ〜、元気〜?
……あははっ、ひどい顔!
ま〜た泣いてたの〜?

あーあ、せっかくふかふかなシーツ、敷いてあげたのに。
お前の鼻水でぐっしょぐしょになってんじゃん。
ずーっと冷たい床で這いつくばってるのもかわいそうかな〜って思ったんだけど、これじゃ結局無様なままだね!

("出して"と控えめに騒ぐ貴方)
……出してほしい?
はあ〜? 出すわけないじゃん。

お前はここで、僕が飽きるまで、ずーっとここに閉じこめられるの。
それで、生き残れなかった哀れな人たちの映像を見続けてもらう……って。

最初に説明したよね?
話聞いてなかったの〜?

お前って昔っからそうだったよねえ……。
ほんっとムカつく……。

(調子を変えて)
……くふふっ、傑作でしょ!
今も流れ続けてるこれ、僕が作ったんだよ?
早くお前に見せたくて、徹夜までしたんだから。
どう? 感想聞かせてっ。

(貴方の顔を無理矢理動かして)
……ちゃんと見ろよ。
あっ、ほら、きみの幼馴染が"退場"するとこだ!
きみを守って死んじゃったんだっけぇ?
ああ〜……どんどん刃に切り刻まれてくねぇ……。

……あ〜あ、死んじゃった!
これで何回目なのかなあ?
教えてよ〜、ねえねえっ。
あははははっ!

(泣きだす貴方)
あ……。
あはは、泣いちゃった!
か〜わいっ。ほんっとうざ〜いっ。

もっともっと絶望しなよ。
こんなんじゃ、ぜ〜んぜん満足しないから。

("なんで殺さないの"と泣き続ける貴方)
……殺すわけないじゃん。
お前を絶望させるために、わざわざ殺さないであげてるんだよ?
今までは、お前一人になったらすぐに殺してたけど……。
それじゃ、一瞬しか絶望した顔が見れないでしょ。

僕を裏切ったお前を、いろんな方法を使って復讐するって決めたんだ。
これはその一種。まだまだつきあってもらうよ。

(再び貴方の顔を無理矢理動かして)
……だからほら、が〜んばれっ。
お前を守っていなくなった人たちの最期、ちゃーんと見なきゃ駄目だよ?

(貴方の耳を見て)
…………。
……んー……。
でも、なんか飽きたな。

(貴方の顔から手を離し、ビデオの再生を止める彼)
……ははっ、変な顔。おもしろっ。
写真撮りたくなるやつじゃん。
なに? なんで驚いてんの?

ああ、ビデオ?
うん、止めたけど。
今回のお前、いっつも同じ顔ばっかすんだもん。
さすがに飽きるよねー。

……っていうかさあ。
耳、汚すぎるんだけど。
見てて気になっちゃった。掃除しなよ。
……っても、できないよねえ!
僕がな〜んにもできないようにしてるもんね〜?

かわいそ〜!
とーってもかわいそうだから、僕が掃除してあげる!

きて。……きなよ。
お前が僕の膝に乗るんだよ。
……ほら。

(恐る恐る彼の膝に頭を乗せた貴方)
えら〜いっ。従順っ。
ペットみた〜いっ。
それじゃ、耳かきを"出現"させて……っと。
やっていくね?

(右耳/耳かき開始)
……ちょっと、いちいち動かないでよ。
普通に耳かきしてるだけなんですけど?
百パーセント善意だよ?
ずっとそうだと、お前の耳、傷つけちゃうかもね〜?

【……あ、それとも弱かったりする?
感じてんの? 耳で?

あはははっ!
それだったらめちゃくちゃウケる〜!
仲間を死なせた元凶に、"そういうこと"じゃないのされてびくびくしてんだ!
不謹慎なやつ〜! あはははは!】
(ここは入れても入れなくても大丈夫です)

は〜……。
とにかくさあ、静かにしてくれる?
したいこともできないじゃない。

(震えを止めた貴方)
……ん、ちょっとはマシになった。
続きやってくね〜。

(しばらく耳かき音/環境音、鼻歌、子守唄等を入れてもいいかもしれません)

……お〜わりっ。
梵天するねー。

(梵天の音)

梵天もお〜わりっ。
反対側するから、頭の向き変えてよ。
……いい子。
じゃ、こっちもやってくね〜。

(左耳/耳かき開始)
……ふ、ふふっ。
お前の顔、よ〜く見える……。
目をつむってると死人みたい。
みたいっていうか、実際に死んだことあるんだけどね。

("どういう意味"と震える声を出す貴方)
お前の多種多様な死に様、ぜーんぶ記録してるよ!
"見せしめ"になったお前。
幼馴染を守って亡くなったお前。
耐えきれなくなって自害したお前。
最後まで生き残って僕に殺されたお前。
余すところなくね!

あははっ……!
これもここがデータ世界だからできるんだ!
デジタル様々だねえ!
現実じゃ死なないからこそ、何度も何度もお前を殺せる!
何度だってお前に復讐できるんだ!

……泣くなよ。
今、耳かきの途中でしょ。
無理もないけどねー。
……鼓膜破かれてもいいんだ?

(恐怖で体を硬直させる貴方)
あははは、馬鹿みた〜い。
そんなに耳かきされたいの?
いいよ、やさし〜くしてあげるっ。

(しばらく耳かき音)

【……あっ、そうだ。
声出してあげよっか?
動画でそういうのあるじゃん。
やってあげるよ。

かり、かり、かり、かり……。
かり、かり、かり、かり……。】
(ここは入れても入れなくても大丈夫です/かりかり部分を他の擬音に変更しても大丈夫です)

……ん、こっちも終わり。
梵天するよー。

(梵天の音)

はい、お〜わりっ!
うんうん、綺麗になったね〜。
……ま、最終的に死ぬから意味ないんだけど。

今回はどんな風に死んでもらおっかな〜?
きみの幼馴染と同じ死にかたをさせるのもいいかもね。
え? だってほら、"お似合い"じゃ〜ん!
あははははっ!

……じゃ、またくるから。
ビデオつけとくから、よーく見てなよ。

(貴方から離れ、ドアノブに手をかける彼)
じゃーね。
次も情けない顔、期待してるから!


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