本音を話さない幼馴染が雨の日に泊まりにきた話

■背景
とある雨の日、幼馴染である彼が貴方の家に泊まりにきた。
その夜、居間でぼうっとしている彼に声をかけると、もう寝るのかと問いかけられて……。
(元キャラ:赤間ユヅル)



(雨の音/"なにしてるの?"と質問する貴方)
……もう寝るの?
そっか、ならぼくも寝ようかな。
別に、なにもしてないよ。
雨が降ってるなーって、ぼうっとしていただけ。

("なにかしたいことがあったらしていいんだよ?"と貴方)
……こういう暇な時間ができたら、本を読んだりするほうがいいってわかってるけど。
でも、ここ、きみの家だもの。
はしゃぎ回るのも失礼かなって。

それに、困っちゃうから。
なにをしたらいいのか、とか。
ぼくはなにをしたいのかな、とか。
ぐるぐるしちゃって……もう、なにもしないほうがいいかなって。
……ごめんね?

("謝る必要はない"と貴方)
あ……。あ〜……あはは。
前にきみが教えてくれたこと、忘れちゃったみたい。
こういうとき、謝らなくっていいんだよね。
……難しいなあ。

寝るんでしょう?
歯磨きした?
あとはもう寝るだけ?
……そっか。

(貴方の腕に手を添える彼)
じゃあ、ぼくも一緒。
……嫌?

("嫌じゃないけど……"と不思議がる貴方)
……ふふっ。
いこ。ぼくも眠くなってきちゃった。

(寝室前に移動する音/扉が開く音)
(彼も寝室に入ってきて驚く貴方)
……どうしたの。
なんで寝室までって……。
一緒っていったでしょう?

確かに、ぼくときみは異性同士だけれど……。
でも、幼馴染でしょう。
何度も家に泊めてくれたよね。

今更、そんな顔……。
ぼくは気にしてないのに……。
…………だめ?

(渋々了承する貴方)
…………っ。

(貴方の腕に絡む彼)
どうして驚くの。
腕、絡ませてるだけだよ。

距離……? 距離が、なに?
もっとはっきりいってくれないと。
……ね?

("早く寝よう"と照れ隠しで急かす貴方)
ふふ、あいかわらず誤魔化すの下手だなあ。
うん、もう寝よ。ベッドいこ。

(ベッドに入る二人)
……あったかいね。
外、寒いから……いつもよりずっとあたたかいかも。
それともきみがいるからかな。
芯まであつくなってくる感じがする……。

毛布もふかふか〜……。
柔らかい……。
何度もお泊まりしてるのに、不思議。
毎回特別な気持ちになっちゃう。

はあ……ふふ。あはっ……。
ぼく……ぼく……。

(雨音が強くなる/小声で)
…………。
幸せだって、思ってたのになあ。

(貴方の機嫌を損ねないようにうかがいながら、若干甘えるように)
……ん。
もう、わかってくれないんだ。
……こっちきて。
…………おねがい。

(困惑しながら近寄る貴方)
……んふふ。ふふ……。
あったかいね。本当に、あったかい……。

……雨は嫌い。
家の中から出られなくなるから。
出かけることもできるけど、ずーっと出かけていたら怒られる。

家にいたら、あいつが……。
父親が痛めつけてくるもの……。

(本音を隠すのをやめ)
お泊まりできるの、本当に嬉しいんだよ。
あいつから逃げられるってこともそうだけど……。
きみといれるから、嬉しい。
今もきみと一緒で……ちょっと、どきどきしてる。

(貴方を抱き寄せる彼)
ほら、こんなにうるさいでしょう?
……きみも……どきどきしてるのかな。
心臓の音が二重に聞こえる……。

……あ、はは。
雨、雨が、遠くなってく……。

……ね、このまま寝てもいい?
今ならぐっすり眠れそうな気がするんだ。
一緒に、夢を……きみの夢を見させて。
……約束。

指切りげんまん、指切った。
……おやすみ。
やさしいやさしい夢を、見れますように……。


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