電波系男の娘に依存される話

■背景
男の娘の友達である彼と遊んでいた貴方。
次に遊ぶ場所を彼に提案されたが、そこは既に他の友達といっていた場所だった。
それを伝えると、彼の様子が急変して……。
(元キャラ:伊門宮ほたる)
("S県月宮"という話を知っているとより楽しめるかもしれません)



(二人でお出かけ中)
じーっ……。
あ、ごめんね。
そのクレープ、おいしそうで……。
……ちょっとちょうだい?

いいの? やった〜!
じゃあ……はむっ。
ん〜、おいし〜!
これを選ぶとか、だぁりんセンスいいっ。

(幸せを噛み締めるように)
えへへ……。
……あ。ご、ごめん。
ぼうっとしてたわけじゃないんだ。
だぁりんと友達になれて、こうやってデートしてるのが夢みたいで……幸せだなあって思ってた。

("友達同士だからデートはおかしい"と貴方)
……デートじゃない?
あははっ、そうだね!
デートってことにするの、嫌?
あれあれ〜、顔が赤いぞっ。

……本っ当に幸せ。
いきなりわたしから声かけたのに、だぁりん、嫌いにならないでくれた。
ちょっと変な顔したけど、友達だっていってくれたときのまっすぐな目、ずーっと覚えてる。
だぁりんはたくさん時間が経ってもだぁりんなんだなって……。
すーっごく嬉しかったんだよ。

さすがわたしの王子様!
えー? ううん、女の子でも王子様だよ。
だってこんなに素敵なんだもの!
……来週もだぁりんと一緒にいたいなあ。

(承諾する貴方)
え……いいの!?
ほ、ほんと? ほんとに?
……えへへっ。わがまま聞いてもらっちゃっていいの?
じゃあ、じゃあ、魔法の国にいきたいな。
最近近くにできたとこ。

("魔法の国?"と貴方)
あっ、国って規模じゃないか。
うーん……町? ……違う?
そっか、だぁりん、わたしの言葉わからないから……。
"翻訳"しないといけないんだった。

アウトレットパークっていえばわかるかな?
……そう、そこだよ!
二人でいこっ!
……えっ、もう友達といってきた?

(低い声)
…………なにそれ、聞いてない。

(貴方に詰め寄る彼)
初耳なんだけど。それ、本当?
誰といったの? 親友の子?
その子なら、来世でわたしたちを助ける約束してくれたもん。
全然許せるけど……違う、みたいだね。

……魔女……魔女になにか、そそのかれたの?
きっとそうなんだ。じゃなきゃわたしのこと忘れるようなこと、しないもん。
忘れてない? 他にも友達がいて当然?
……その"友達"は魔女のしもべだよ!

や、約束したでしょ?
来世はずっと一緒にいようって……。
わたしたちは二度と引き裂かれることはないって!

駄目、そいつは魔女の手先。
魔法を使ってだぁりんの記憶を書き換える悪いやつなんだよ!
や、やだよ、また魔女のせいでだぁりんと離れ離れになるなんて……!

(パニックになっている彼)
そんなことになるぐらいなら、わ、わたし……。
そいつ、そいつ誰。ねえ、誰なの。
教えてよ、そいつ誰なの、学校/職場にいるんだよね?
……しもべ一人なら、警棒一つでなんとかなるよね。

(さすがに彼を止めようとする貴方)
どい、どいてよだぁりん、ねえどいて、どいてってば!
そいつのこと殺しにいくんだ!
……どいてよ!! 殺せない!!

("落ち着いてほしい"と訴える貴方)
……やだ、なんでそんな目で見るの。
わた、わたし、落ち着いてる。
やだっ、やだやだ、だぁりんに嫌われたくない!
だぁりんに、わた、わたしのこと、わすれ、わ、おれ、おれのことっ……!

いやだっ、そんな赤の他人と仲良くしないで!
親友よりただのクラスメイト/仕事仲間のほうが、た、大切なの?
いやだいやだ、いかないで。俺から離れていかないで。
…………俺のこと忘れないで……!!

げんめつしないで。
きらわないで……。
ずっとともだちでいてくれよ……。

おれ……おれ、きみ、きみに、わすれられたくない……!
きみだけは"普通"に接してくれたんだ……!

(彼の発言の意味がわからない貴方)
……は、はは。覚えてないよな。
昔、オンラインゲームしてただろ。
俺、学校/職場、行けなくってさ……拠り所がゲームしかなかったんだ。

腫れ物扱いされる中、きみだけが普通に喋ってくれて……俺、本当に嬉しかったんだよ。
でも、ゲームにログインすることが少なくなって、会えなくなって……。

だから、きみを捜しだした。
現実で友達になりたかったから。
……でも、怖かった。
拒絶されたらって考えが止まらなくて……。

……女装した。
"わたし"として友達になれたらって……そう思ったんだ。

(彼のことを思い出した貴方)
……思い出してくれた?
そうだよ、たくさんチャットしただろ。
あは、あはは、あんなに話したのに、記憶の片隅にすら残ってなかったんだ……!

でも、今、思い出してくれた。
また忘れるなんてことないよな。
今度はずっと、ずーっと覚えていてくれる。
なあ、そうだろ?

(うなずく貴方)
あはは、嬉しい……。
じゃあ、"魔女のしもべ"よりもたくさんたくさん一緒にいよう。
俺以外の全部、俺で上書きするんだ……。

いった場所もいってない場所も見て回って、思い出す景色全てに俺をいさせて。
……だからまずは、来週。約束しよう。

ね、"だぁりん"?


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