後輩に神様と崇められながら監禁される話

■背景
ある日目覚めた貴方は、檻の中に入れられていることに気づく。
困惑していると、少し前に出会った後輩が話しかけてきて……。
(元キャラ:十八公ユヅキ)



(部屋の中)
……あっ! 先輩、起きましたか?
おはようございますっ。

(檻を揺らす音)
こ、これ……ですか? 神棚ですっ。
鉄の檻にしか見えない……?
い、いえ、これは神棚なんです。貴方という神様を祀るための、大切な……。

("自分が神様?"と彼に問う貴方)
……は、はいっ!
貴方は僕の、か、神様です……!

(怪訝な顔をする貴方)
ど、どうしてそんな顔するんですか……?
貴方が神様じゃなかったらなんだっていうんですか? ……ただの人間?

そんなこと、ない。
例え他の人たちが否定しても、僕にとっては唯一無二の神様なんです。

はじめて出会ったとき、先輩、普通に笑いかけてくれましたよね。
僕は周りから遠巻きにされてるってわかってたはずなのに、見て見ぬふりをしなかったんだ。
先輩が手を差し伸べてくれたとき、僕、とっても嬉しかったんです。
ああ、このひとは、僕みたいなやつにも声をかけてくれるんだなって……。

だから、神様だから……それならきちんと"居場所"を作らなくちゃ駄目ですよね?

……神棚のこと知ったとき、これだって思ったんです。
それで、どうして今まで居場所の一つすら作ろうと思わなかったんだろう、その考えに至らなかったんだろうって……悔しくなりました。
神様を崇めるために必要不可欠なものを、どうして用意しなかったのかって……。

だ、だからがんばったんですよ!
そのまま買ったらバレちゃうかもしれないから、材料を集めて自作したんです。

ほら、見てください、僕の手。こんなに傷が……。
え、えへ……っ。先輩のためにがんばってこうなったんですよ……!

あ、あと……組み立てただけのものを使ったら、冷たいし、擦り傷ができちゃいますよね。
だから、できる限りふわふわのコットンをくっつけたんです。

ど、どうですか?
あたたかいし、擦っても先輩の肌に傷がつくこと、ないと思うんですけど……。

("ここから出してほしい"といわれ)
……ここから出たい?
…………い、嫌っ……。
だ、だって、外は危ないっ……。

貴方は尊ばれるべきひとです。それに、"神様"なんだから無闇に顔を見せちゃ駄目……!

もし貴方がどこかの誰かの悪意に当てられたら、ぼ、僕……僕っ……!!

(少し落ち着いて)
……先輩、見てください。神棚の端っこ。
ち、ちょっと笑顔になってくれましたねっ……。
これ、なんだと思いますか?

("自分の好きなものばかり"だと指摘する貴方)
え、えへ、そうです、みーんな先輩の好きなもの。
捧げものです……!

僕、なんでもします。先輩のためならなんでもします。
ごはんも、お風呂も、着替えも……ぜーんぶ、僕に任せて。
だから、おねがい……ここにいてください。

(とりあえずうなずいた貴方に安堵して)
……ありがとう、ございます……。

……ふふ、ふへ。
先輩、先輩、だいすきです。ずーっと一緒にいましょうね。
毎日参拝させてくださいね、僕だけのやさしい神様……。


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