Cantando! 02

 プロデュース科に転入してレイナがまず衝撃を受けたのが、テスト生が自分を含め二人しかいなかったことである。幸いもう一人の生徒も女子であるが、クラスは別々だ。授業はアイドル科と合同で行っており周りは男子ばかりである。
 そんな環境ではレイナもなかなかなじめず……、なんてこともなく存外あっさりとクラスに溶け込んだ。女子というだけで視線を集めてはいたが、しばらくすれば周囲も慣れてくるものである。

「おはよー、あんず。」
「おはよう、レイナちゃん。」

 もう一人の女子生徒とも仲は良好で、タイミングが合えば一緒に登下校し色々相談している。なんせアイドル科の人数に対しプロデューサーの人数が少なすぎるのだ。コース問わず協力しなければとても手が回りきらないぐらい引っ張りだこである。

「ほい、昨日のレッスンのレポート。」
「うん、ありがとう。私もこれ。」

 よって普段のレッスンなら情報共有もおこなっている。報告書の練習にもちょうどいい。

「そういえばもうすぐフェスが近いけど、あんずはどう?頼まれると断れない性格みたいだし、無理してない?」
「大丈夫、私は好きでやってるから。」
「えー、本当にでござるかぁ?努力家なあんずはあたしも好きだけど。」

 無理をしないレイナに対し、あんずは背負いすぎるきらいがある。いつか倒れやしないかとみていて不安になるぐらいだ。

「そういうレイナちゃんは?」
「あたし?フェス用にいくつがアレンジ曲を頼まれてて、それに伴う演出とか話し合ってるところ。ま、できる範囲ならあんずのことも手伝えるよ。何か困ったら行ってよね。特に曲のことならおまかせあれ。」

 得意分野ならバッチこいとレイナはあんずに笑いかけた。


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