眼鏡のあいつ 01.
めがね 【眼鏡】
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1、不完全な視力を調整したり,強い光線から目を保護したりするために目に付ける,レンズや色ガラスを装備した器具。
2、がんきょう。レンズを用いた器具。
3、物を見分ける力。めきき。
「眼鏡にかなう(=目上の人に認めてもらう)」「眼鏡が狂う(=評価・判断を誤る)
‘眼鏡’とはこういう意味らしい。
何故辞書で眼鏡の意味なんか調べてんのかって?
そりゃあ、眼鏡をこよなく愛しているからに決まっているだろう。
眼鏡のあいつ
俺は地元の高校に通っている17歳の高校2年生だ。
金髪で顔中ピアスだらけ、見るからに頭の悪そうな不良。ま、本当にバカなんだけど。
クラスの連中は皆俺を怖がって近寄りもしねぇ。良いんだけどな。高校なんてかったりぃだけだ。
で、高校サボりまくってたらそろそろ出席日数がやべぇと担任に言われたもんで、最近はわりと真面目に学校に来てる。
そんで最近気になってるのが、俺の前の席の奴。
黒髪で眼鏡。見るからに真面目な優等生面してやがる。
前後の席だってのに会話なんか勿論した事ねぇ。
プリント回す時なんかオドオドしながら回してくるから、初めはそいつにイライラしてた。
でも、最近気付いた。
あいつの姿をついつい追い掛けちまってる自分に。
「おい」
「えっ…何…?」
「お前、目、わりぃの?」
「…う、うん」
「ふーん」
これだけの会話すんのに、すげードキドキしてる自分。どうしよう、気持ちわりぃ俺。
そもそもあいつは男だし、俺とは生涯縁の無いタイプだしな…。
でもなんでこんなにあいつの事気になんだろ、…分っかんね。
でもふと気がつくとあいつの姿を探してる。あいつの事をクラスの女子どもが
「眼鏡を外せばイケメンなのに」
ってぼやいてんのが聞こえる度に、
(あいつの魅力は眼鏡にあんだろうがクソ女どもがぁっ!)」
と心の中で叫び、舌打ちをする。
その舌打ちによってまたみんなが俺から遠ざかっていくが、そんなのはどうでも良い。
あいつは確かに、眼鏡を外したら普通に美形なんだろう。
でも俺からしたら、あの顔にあの眼鏡があるから良いんだよな、眼鏡が無かったら多分、俺の眼中に入らねぇ。
でも眼鏡掛けてるからって、あいつは男だよな…なんでこうもあいつが気になるんだろう。
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