満員電車 01.




私は、正真正銘生粋のホモです。
小さい頃から同性の子にしか興味が無く、告白しては「気持ち悪い」と振られ、幾年。

只今満28歳になりますが、絶賛彼氏募集中。ピッカピカの童貞。貞操もバッチリ守っております。



満員電車



そんな私ですが、有り難い事に女性に告白される機会は多々あるのです。
…が、いやはや男性に告白される事は今だかつて皆無。

ホモDVDやBL本などで、ソロ活動に勤しむ毎日です。



ところが今日、いつものように会社に向かう為満員電車に揺られていたところ、見てしまったのです。

その男性は、20代前半でしょうか…まだ若く、身体も細くしなやかで、とても格好良い方でした。

好みの男性を見ると、つい側に寄り全身を眺めるのが癖になっている私は、満員電車の中その男性の元へ頑張って近寄りました。

すると、彼の股間が異常に盛り上がっているではありませんか!
その光景を目の当たりにし、私の股間も一気に熱を持ちました。

しかし彼の周りに居る人間に女性はおらず、彼が何故勃起しているのか、分かりませんでした。

私はずっと彼の様子と、周りを見ていました。
よく見ると、彼の真後ろに立っている男性の股間も勃起しており、私の好みの彼の尻に当たっているではありませんか。

これは…痴漢なのか、満員電車故の事故なのか…。私には判断がつかず、しかし私の脳裏には彼の卑猥な妄想が繰り広げられ、私の股間も収まる事はありませんでした。

電車を降り会社へ向かい歩く最中もずっとその事が頭から離れず、仕事が終わり家路に着く最中も、その事を考えてもやもやしていました。




なんとかしてあの彼とお近づきになれないものか、明日もう一度電車で会えたら良いのに…

そんな事を願いながら次の日電車に乗り込んだ私は、まだ電車が混み始める前に昨日の彼を見付けてしまいました。

…胸の高鳴りが抑えられません。
私はすぐにその彼の近くに寄りました。

そして幾つかの駅を通過し、電車も満員になりかけの頃私はいつの間にか人に流され、彼の真後ろの位置に居ました。




すると彼が不意に後ろを振り向き、ニコッと笑うと私の手を握って彼自身の腰にまわすように誘導してきたのです。

私には何が何やら分からず、ただこの夢の様な展開に胸が躍り、股間も躍りました。

――彼もきっとホモなのだ。
そしてこれは、何かの理由で私の事もホモだと確信した彼のお誘いなのだ。
…こんなチャンス、無駄にはしません。




彼は私の手を握ったまま、今度は彼の股間に誘います。
彼のスーツの上からでも分かる程にそこは膨れ上がっており、私は一気に興奮度が高まりました。

私は自分の意思で、彼の股間をまさぐります。ゆっくり…なぞるようにその形を確かめるように手を動かしていると、彼の口から吐息が漏れ、私は思わず自分の下半身を彼の尻に擦り付けました。

こんな公共の場で、名前も知らない相手とこんな…頭では分かっていても、もう理性は働かず、私はただ無心に股間を押し付け腰を揺らしました。

彼の身長は私より頭一つ分低かったので、私は少しだけ前屈みになり、彼の耳元に息を吹き掛けました。


「っ!」

「…はぁ…」


そのまま、彼だけに聞こえるように吐息を漏らすと、彼も興奮しているのか更に彼の股間が硬くなるのが分かりました。

私は思わず、彼のベルトを少し緩め、そのまま手を突っ込み下着の上から彼のペニスを触りました。

下着はねっとりと先走りで濡れていて、今まで生きてきてこんなに興奮したか、という位私は興奮し身体が熱くなり彼の下着の中に手を差し入れて直接ペニスを扱きました。

暫く扱いていると、彼が小さく「うっ…」と漏らす声が聞こえ、彼のペニスからドクドクと精液が流れ出てくるのが手が伝わりました。

(あ…やばい…。)
そう思い、私は咄嗟に鞄からハンカチを取って彼の手に渡し、彼の耳元で


「すみません…次で降りれますか?」


そう尋ねると彼はコクンと頷いたので、次の駅に着いた瞬間、流れる人並みに押されながらも電車から降りました。

ホームのベンチに座り込む彼。
その横に腰掛け、何と言って良いのか分からず黙っていると、彼がこちらを見つめ


「あの…」

「は、はい」

「僕…下着汚れちゃった…」

「あっ、すみません!新しいものを買ってお詫び致しますのでどうかお許し下さい…!」

「や、良いよ。お兄さん、そのかわり…また、ね?」

「えっ…?」


彼はそう言って立ち上がり、スーツを直してすたすた歩いて行ってしまわれ、私はただ呆気にとられて彼を見送る事しか出来ませんでした。




その後も、たまに朝電車で彼を見掛けます。




そして




いけない事と分かっていながら…





---fin---






ホモで変態っぽい敬語キャラが大好きです。あと満員電車というシチュも何か絶対惹かれてしまうワードです。
そしてまだまだ描写が拙いです。反省。



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