下心はありません 続編




「あ!そうだ、じゃあ亮太のアソコも見せて?」

そんなとんでもないことを言いながらじりじりと近付いてくる友人兼好きな人は、俺の気持ちを知ってか知らずか無遠慮にベルトへと手をかけだした。

「ちょ、まじまじまじまじ何して……っ!!」

躊躇なくベルトを外しにかかる手を引っつかんで引き離す。
むすっと不服そうに頬を膨らます姿も可愛いななんて思っていたら、「僕だけなんてズルいよ」と半ば強引にベルトを引き抜かれた。

「わっ…!ちょ、ちょ!マジ……っ」

最初こそ抵抗したものの、こんな機会二度と訪れないだろうという悪魔だか天使だかの脳内会議の結果、満場一致で彼に従うことに決まってしまうという俺の潔さ。ふは、理性弱ぇ。

あっという間に下半身を剥き出しにされて、情けなくもしっかり天を向いた俺の愚息をまじまじと見つめた目の前の天使は、何故か楽しそうに肩を揺らして一言。

「わぁ…亮太のおっきい……びくびくしてるね?」

――ちょ、このセリフはやばいだろう。



下心はありません 続編



「亮太のはもう剥けてるんだ…先っぽでてるね」
「あ、う、うん…そ、だな」

さっきまでの恥ずかしがってたあいつは何処へやら、好奇心満々な顔で下半身に顔を近付けてくる。
俺も俺でさっきまでの調子の良さは何処にいったのか、目を泳がせながら足を閉じてなんとなく股間を隠してみたり。

「ちょっと亮太…隠さないでよく見せてよ」
「ん?んー……」

無理矢理足を開かされて、ふるふると涙を零す息子ちゃんに手を伸ばされた。

「っ…、」

ちょっと触れられただけなのに、俺のそこは過剰にビクンビクンと震えて分かりやすい反応を見せる。仕方ないだろ。好きな奴に触られて、例えそれが好奇心からのものだとしても……こんなチャンス二度とない。

「っわ……スゴイ……」
「ちょ、恥ずかし過ぎんなコレ」
「僕だって、その……さっきは恥ずかしかった、よ」
「あ〜…そうな、悪い」
「んーん!違くて、その、……さっきは…ありがとう」

頬を染めて照れ臭そうに伏し目がちになるこいつが愛しくてたまらない。いっそ射精しそう。

下心満々で包茎だとみんなに笑われるから剥いてやんよなんてけしかけて、半ば無理矢理に下半身出させて舐めさしてもらって剥いたげて、それなのにこんな顔でお礼なんて言われて……。

ちょっとの罪悪感とたっぷりの背徳感が胸をじわりと占領しだすのを感じながら、俺は優しく目を細めて彼の髪をそっと撫でた。



「……ね、舐めてみてい?」
「っ!!?」

興味津々気味に俺のちんこを眺め手で弄ぶように触っていた奴は、急にそんなとんでもないことを口にした。

「亮太も僕の、舐めてくれたし……だめ?」

駄目なわけがないというかむしろ喜んで差し出したいっていうかいくら俺がさっき舐めたからとはいえお返しみたいなこと普通しないだろうっていうかでも舐めてくれるっつってんだからここは素直に舐めてもらえ自分!!



「なっ…舐めて」

あいつは、何故か嬉しそうなオーラを纏いながらコクンと頷いた。




「んっ…!」

小さくて赤い舌がぺろりと俺のちんこの先っちょを舐めた。そう、まるでソフトクリームでも舐めるかのように。
舐めてもらえるという期待でぶっちゃけさっきから我慢汁が凄まじい。竿にまで垂れたその透明な液体を舐め取るように舌をツーと滑らされるその感触と、好きな人にフェラされてるというこの事実が、俺を最高潮に興奮させた。

「…ふっ……ん…」
「…ッ…!」

ただでさえすぐイッちゃいそうだってのに、あいつはやらしい吐息を漏らしたあとパクッと俺のを銜えだした。そ、それはマズイまじ出ちゃいそ……

「っ……っふ…」
「んっ……」

ギリギリのとこで抑えて、もういいよという意味を込めて奴の柔らかい髪に手を差し入れて梳いてやる。
こちらを向いた可愛い目が嬉しそうに細まって、うんよし満足したんだな我慢出来てよかった…!と安堵していたら、ただ俺のを銜えて面白そうに動かすだけだったそのぎこちない動きが一変して…銜えたまま舌で竿を丁寧に舐め始めた。

「んっ…あっ…ちょ、待」
「…ふ…っ……ん…」

ぢゅ、ぺろぺろ、ちゅ、ちゅ。さしずめAVみたいな本気のフェラに一気に理性を持ってかれる。すげーやばい、超気持ちい。
俺は無意識に奴の頭を支えるようにして腰をカクカクと動かしていた。

「んっ…ん…〜」
「っあやばい出そ、ちょ、ごめん離…」

やばいやばいやばいやばい。
ふざけあいの延長でフェラさせてる身で口に出すのはさすがにまずいだろ。つーか出したらだめだろ。
ぎゅ、と力を入れ射精感を必死で堪えて無理矢理口から息子を引き抜く。

「んっ…、出しちゃってもよかったのに」

こんな台詞反則だ。
っつーか駄目だ。うん、だめだめだめだめ。顔射は男の浪漫だけど!

「あ〜…いや、マジで出したらシャレんなんないって」
「え〜そうかなぁ?」
「絶対そう!」
「じゃあ試させて?」
「な"…なんつー事を……」
「ふふ、冗談だよ」

あ、冗談なんだ。
小悪魔みたいな笑顔を浮かべて、奴はむくりと身体を起こしその場に正座した。
俺は内心肩を落としながら下着をもそもそと穿いて、こちらに伸びている視線にぴたりとそれを合わせる。

「亮太」
「ん?」
「ありがとね!」

亮太がいてくれてよかったよと、何の邪念も持ち合わせていないような屈託のない笑みを向けられた。

「お、おう!」

――あぁ、本当にさっきのはただの好奇心だけでやったことなのか。まさか俺の事を好いてくれてるなんて思い違いをする程浅はかなつもりはないけど…でもさっき俺に舐めさせてくれたり、はたまたそのお礼なんつって舐めてくれたりしたのは、少しでも俺に対してそういう意味で興味を惹かれたからなのかな〜…とか思って調子に乗っていた自分に激しく嫌悪する。

「亮太?どうしたの?」
「んにゃ、なんでもねーよっ」
「そう?」

納得していない様子で首を傾げているこいつから、探るような視線が降ってくる。
俺はそれに気付かないフリをして、ニッと軽く笑った。

「そっか!ならいいんだけど……あ、あのさ…」
「んー?」

何かを言い淀んで俯く天使。

「亮太さえよかったら…また、剥くの手伝ってくれる?」

な、な、なんと!!!
まさかのそんな嬉しい申し出!

「っ!!!よ、よろこんで!!」

俺の異様なまでの食いつきにも嫌なカオひとつせずはにかむようにそっと笑ってくれる俺の好きな人。


あーもう、こんな幸せでいいのかな。
喜びに顔がつい緩みがちになるのも隠さずに、俺は心の中でガッツポーズを決めた。



* * *



「…ね、ね、亮太」
「ん?」
「明日から修学旅行でしょ?もっかい僕の……ち…ん………見て…欲しいんだけど……」
「〜!!っよしじゃあもう今すぐ帰ろ!今日は早退して俺んち来いよ!昼間なら誰も居ないから!な!」
「…っふふ、亮太、なんか……」

――すっごい可愛いね?



---fin---




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