互いの利益のために05




「んっ…ん…」

口腟に入り込んできた和成の舌がくちゅくちゅと音を立てながら俺の舌に絡んでくる。
なっ、なんだこれ……気持ち良すぎて頭が真っ白になる。舌を介して伝わる感覚的なものもそうだけど、唇を離す度、また舌を絡め合わせる度に出るこのなんともいやらしい音がまた聴覚的にも興奮……ん、これはやばい。

とはいえこんな深いキスどころかキス自体さっき和成に初めてを奪われたばかりだ。まだまだ勝手が分からずに和成から与えられるそれをただ享受して、目の前の相手の背中に縋るように手を回した。

「ん…っ…かずな…ン」

何度となく繰り返されるキスの中一瞬の隙をついて喋ろうとしても、またすぐに和成は角度を変え唇を押し付けてくる。
俺は悶々と疼きだしている下半身を悟られないように腰を引いた。

「っ…、秀一、勃ってんね?」
「バッ…違っ…」

わざわざ腰を引いたのがいけなかったらしい、一旦唇を完全に離した和成は俺の背中に手を回しぐいっと身体を引き寄せ、片方の手があまりに自然な動きで俺の隆起したそこをまさぐり始めた。

「ちょっ…やめっ」
「いーじゃん、俺ももうやばいし」

色っぽく笑った和成は俺の手を掴んで前方へと誘う。
手の平に感じたのは生暖かくて、硬く上を向いた和成の……

「お前なに脱っ…!」

和成の生和成を触る日が来るなんて。というか元々最初から全て異常事態の連続だったけど。
……なんで脱いでんだよお前。どんだけ順応能力高いのお前。今ここが何処だか分かってんのかお前。もし今救助が来たりしたらどうなるか分かってんのか。

「…っなあ……」

理性と本能の狭間で揺れながら硬直する俺の耳元で、和成が切なそうに言いながらその手に力を込めた。



* * *



「ぁ、あ……ちょ、」
「なに、ここ気持ちーの?」

亀頭に皮を被せるように刺激されれば、無条件で声が出てしまう。でも俺の反応に嬉しそうに耳元で「ココ?」と聞いてくる和成のあそこも、張り詰めて少し触るだけでビクビク波打っていた。

「秀一、手ぇ止まってる」

正直なんか興奮し過ぎてまずい。全てが初めての体験だからだろうか。
和成の熱いソレを握ったまま与えられる快感にほうけていたら、そう言って和成は耳元に軽くキスをしてきた。

「んっ」
「耳弱い?…もっと舐めさしてよ」

耳元で低く問われ、俺が返事をする前に耳たぶを甘噛みされる。そのまま舌を這わされ、ゆっくりとその舌が耳穴へと差し込まれていく。くちゅりと生々しい音がダイレクトに耳に響いて、身体が素直に反応してしまう。

「あ、またおっきくなった」
「言う…な、よ」

和成が嬉しそうに息を飲むのが分かって、カアァっと熱が上がる。

「な、俺のももっと触ってよ、お前の手気持ちい…」
「ん……」

たどたどしく和成のソレを上下に扱くと、はぁ…と和成の情事に満ちた声が聞こえてきてそれだけで更に俺の興奮度が増した。
もっと和成の声が聞きたくなって、シュ、シュと徐々に手の動きを速めていく。

「っあ、やばい出そ…、ストッ、ストップ!」

慌てたように和成が俺の手を掴んで引きはがす。別に出そうなら出せばいいのに。
若干不服そうに和成を見遣ると、やたら熱っぽい視線が返ってきた。なんだその顔……こんな色気剥き出しの顔されたら、その、こっちだって……

「和成、」

目だけで返事をする和成にキスをする。
なんか今、凄くしたくなった。

「んっ…ん」
「む…んんっ……はぁ」

どちらからともなく唇が開かれて舌を絡め合わせる。飲み込みきれなかった和成の唾液が口の横をツーと伝う。
ゆっくりと唇を離せば、互いのそこから銀色の糸が引くのが見えた。

「エッロ…」
「どっちがだよ…」

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