我慢できない 04.




「…っ…、響」
『何だ?』
「……しれっとしてんなよ」
『…っふ』

直に触れた自分のソレは生暖かくて、苦しそうに震えているのを解放してやるようにボクサーパンツの前の隙間から根元全体を上へ誘うように出してやる。
俺のはもうこんなにやる気を出し始めてるというのに、響のはどうなんだろうか。一向にそれが分からない。




『…大輔、俺のペニスはもう完全に勃起しているぞ』

ペニスとか言うな!さらりと卑猥な単語使いやがってちょっと反応しちまったじゃねぇかバカ!全くいつの間に勃ってやがるんだ響のやつ…。つかあいつはマジで俺の心が読めるのか?
何をどう突っ込んでやろうか、いや待てここで突っ込みを入れるのは野暮というものだろうか、などと考えていたら、

『……大輔、お前のことを想うと俺は、こうしてすぐに欲望が形となって現れる。好きだ、大輔』

そう続けられて一気に言葉が出なくなる。どっどっどっ、と急に心臓が暴れだして、熱が上がっていくのが分かる。こんなにストレートに想いをぶつけられて嬉しくないはずがない。

さっきまで「響の気持ちが分からない」などとほざいていたはずの俺は、すっかり響の言葉に安堵したと同時に、響の言葉にとてつもなく邪な感情を抱く。

「お前…っ、そんな恥ずかしい事しれっと言うなっつの」
『ふっ…、大輔は本当に言葉攻めに弱い』
「…うっせ」

残念ながら響の指摘はあながち間違ってはいなかったりする。
普段その…シてる時だって、「愛してるぞ」から始まって「もうお前のココはビンビンだな?」とか「どうして欲しいか言ってみろ」とか、あいつは恥ずかしげもなくそんなAVみたいなことをそのままオブラートに包まずに言うんだ、あいつは。
言われた側というか言わされる側の俺としてはその、やっぱり恥ずかしくて、あと……すっげクるんだよ。……まぁそれを響は分かってて、わざと言葉にしてくるんだけど。

『いつも一人でする時みたいにしていいんだぞ?』
「あぁ…う、ん」
『…いや違うな。一人で普段している時のように“シろ”だ』
「……ん」

言われるがままに、その雄の中心を片手で包み込んで上下に扱いていく。もう俺のも、うっすらと筋を付けて完全に勃ち上がっていた。

「……っは」

恥ずかし気もなく熱のこもった喘ぎを出し、左手の速度を早める。一旦声に出してしまうと、勢いがついたように欲情を伴う喘ぎが止まらなくなっていく。

「…っん…んっ…はぁ」
『その声…いやらしいな』

それを皮切りに、電話越しに響の小さな吐息が聞こえてきた。きっと、俺のことを想って、俺の声を聞いて、興奮してくれているんだろう。…やべ、そんなん想像したら俺も余計に興奮してきた。

「…っは、」
『お前の股間はどうだ…っ…?勃起して先走りが垂れているのだろう…ぐちょぐちょで滑って、扱きやすいか…?』
「…ん、…ん」
『言わないと分からないだろう…?』
「ん…そ、そうだよ…っ」
『…ふふっ、はしたなくて、厭らしくて……堪らない』

最後の部分だけやけに小さく呟くように言われ、何と言ったのか聞きとれなかった。聞き返そうかと口を開いた瞬間、

『…っ…はっ、お前のことを想いながら、お前の厭らしい声を聞きながらするのは…より興奮するな』

そんなことを言われ、また開きかけた口をつぐむ。瞬間、トクリと脈を打つかのように俺の分身が震えた。こいつは俺の欲情に忠実に反応して、先走りをツプツプと亀頭から溢れさせていく。

「…っ…っや…はっ…」
『…出そうなのか?』

響の質問に搾り出したようにくぐもった声で「ん」とだけ答えた俺は、迫り上がるようにせまってきた射精感を解放しようと、左手を小刻みに上下させる。

「…っ…んっ…んっ…はっ」
『…はっ…大輔………』

互いの荒っぽい呼吸の音だけが電話口に響く。
やばい、マジで出ちゃいそうだ。急いで携帯を耳と肩に器用に挟んだ俺は、右腕をひょいと伸ばしてティッシュの箱からその薄い紙を二、三枚がばっと引き抜く。

「…っ…や……ひ、びき……っ――」
『……っ…はぁっ……』




左手でしっかりと受け止めたソレは、いつも一人でする時より量が少しばかり多くて、さっきの事を思い出すと途端に恥ずかしくなってくる。

「……出、ちゃった」
『知っている』
「お、お前はどうなんだよ」
『…ふっ…俺も、最後にお前が俺の名を呼んだ途端に出てしまった』
「なっ…」
『イク瞬間に俺の名を叫ぶなんて、』
「ちょ、おま、もう喋んな…っ」

電話の向こうで、奴はどんな顔をしてるんだろうか。そんなことを考えながら、火照っている顔を冷ますように左手でぱたぱたと扇いだ。



---fin---



テレフォンセックスっていいですね。ふあぁ…!これからも二人にはエッチな青春を送ってほしいです(〃〃)


→ということで番外編!エッチな青春その2です!

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