我慢できない 03.




「なに、テレフォンセックスでもしようって?」

冗談で言ったつもりだったのに、響は満足そうに「ふ、思ったよりは物分かりがいいんだな」などと言い出す始末で。

いきなりの急展開に、心臓がバクバクと波打ちだすのが自分でも分かった。

え、え、え、何。
テテテテレフォンセックスって!すげーそそる言葉なんだけど!いやでもいざ自分が今からするとなるとめっちゃ緊張するんだけど!

「え、……まじ?」
『……なんだ、嫌なのか?俺は大輔が足りなくてもう我慢できないというのに』

しれっとこんな恥ずかしいことを言ってのけてしまう響に、胸がトクンと高鳴る。
あぁ、なんだかんだいっても響、俺のこと好きなんじゃん。
ほっと肩を撫で下ろしたのもつかの間、安心したせいなのか急にムラムラしてきた。俺ってばゲンキン。

『……大輔』

ぼそりとまたあの独特な低い声で名前を呼ばれ、ドキリとする。ただ名前を呼ばれただけだっていうのに、なんでか期待しちゃってるのか股間がムズムズしてきた。

「ひ、びき、」
『…何だ?』
「……下、脱いでんの?」
『そうだな、ジーパンをずり下げて下着越しに股間を撫でている』

いやあそんな詳しい説明をありがとう!いやいや鮮明に想像出来ちゃってまずいぞこれは。
響が今してるであろう格好が容易に頭に浮かんで、…俺の息子が反応した。

「そっか。つか俺も今ベッド居るんだけど…」
『なら早くお前も脱げ』
「お、おう」

なんだろう。目の前に響が居る訳でもないのに、まるですぐ近くにあいつが居るかのように感じる。

お前も脱げとの命に了承の返事をした手前、俺は戸惑いながらもスエットに手を伸ばし、おそるおそるそれをずり下げる。
チラリとそこに視線をやると、案の定半勃ちでゆるりとボクサーパンツを押し上げ始めている俺の息子。

「……あ、」
『なんだ、もしかして期待して勃ったのか?』
「う、うっせぇよ!」
『…ふっ、可愛い奴め』

なんだなんだ響のヤロウ!自分からおっぱじめたくせして余裕ぶっこきやがって。

『ほら、お前も早く触るといい』
「ん、分かってるよ…」

分かってるよとか言いながらも、やっぱりまだ羞恥心が邪魔してるのかぎこちなく股間に手を当て、ゆっくりとそこを往復させてみる。ちょっと何これ恥ずかしい。

「触った」
『そんなんじゃ駄目だ大輔。もっと強く撫でて、感じるように手を動かせ』

何故か響の言うことに従わなければならないみたいな雰囲気に飲まれた俺は、言われた通りに下着の上から半勃ちのそこをぐにぐにと揉みしだくように刺激し始める。
次第に、素直に反応しだしたソコは熱を持ち上を向いて、一枚隔てたその布がえらく窮屈そうにふるふると奮えた。

「……は」

思わず、小さくだが明らかに欲情のこもった吐息が漏れる。聞き逃さないとばかりにすかさず響は「気持ち良いのか?」なんて聞いてきて。
あぁ、ちょっとその気になってきたよバカ。言わないけど。

『もう下着に染みが付いてるんだろう?直接触らないのか?』
「何で分かるんだよ」
『それは愛するお前のことだからな、何でも分かるぞ。今お前がちょっとその気になってきた事も、手に取るように分かる』
「くそ…っ」

得意げにつらつらと続ける響が憎たらしいような、でも嬉しいような。
とにかくもう俺の気持ちもバレてる訳で。さっきまで確実にあった羞恥心もいつの間にかどっかに置き忘れてきたらしい俺は、言われるがままに下着の中へと手をやっていた。

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