変態甘々 01.
恋人(♂)にある日突然、「ね、外でシてみない?」と言われました。あなたなら、どうしますか?
リク作品 変態甘々
「は?」
「いやだから外でセックスしようか、って!公衆トイレとか電車とかさ!あ、その辺の草むらでも勿論可!ハァハァ」
ちょちょちょ。こいつを誰か止めてくれ。外でするなんてそんな非常識極まりない事、誰がするかってんだよ。
…全く。ただでさえ同性愛ってのはまだまだ偏見を持たれてるこの時代、もし他の人に見付かりでもしたらもう俺ダメージでかいよ。精神的に。
「いやいや、そのスリルが良いんじゃないか!たまらん!」
何で俺の心の中の台詞に答えてんだよお前は!テレパシーか、この電波野郎め。
「俺は断固反対だ。そんな外でなんて、リスク高すぎ…」
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「おや、目が覚めたかい?」
「ちょ、お前何して」
「シー。静かに。周りにバレたら困るでしょ?」
俺はまさかの、まさかの、自分の恋人に睡眠薬入りコーヒーを飲まされて、恐らく公衆トイレの個室の中、便器の上に座らされている状態です何故。
「絶対反対するって分かってたから、コーヒーに睡眠薬入れてました!てへ」
「てへ」じゃねぇよ…。文句をぶちまけたいのを堪え、代わりに出た溜息と共にガックリと肩を落とした。
「そんな態度取っちゃって、君がこういうプレイも実は好きという事は、もう分かっているのだよ?」
ふふふ、と不気味に笑い、じりじりとこちらににじり寄って来た。ちょ、マジ何考えてんだこいつぁ…!
「…っ…ん…」
そして唐突に押し付けられた唇の感触に、気持ちとは裏腹にぐっと胸が熱くなる。本能には逆らえないというものなのだろうか。そのまま相手の腰に腕を廻そうかと両手を動かそうとした時だ。
あれ?これもしかしたらもしかしなくても…。俺の両手はトイレのパイプらしき物に多分ネクタイか何かできつく縛られていた。
「…っ、…はぁ、…手…これ」
「ん、だから暴れないでね?」
ゆっくりと離した互い唇の端から透明の糸が垂れる。やらしくていつもなら好きなのだが、ここはトイレの個室で俺は両手を拘束されているっていう。
奴の黒い笑みに、はははと引き攣った笑いを投げ掛ける事しか出来なかった。
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「〜!やめ」
「はぁ…やば… ね、いつもよりココ硬いけど、やっぱりこういうプレイ好きでしょ?」
そのまま俺が抵抗出来ないのを良いことに貪るように全身を愛撫され、挙げ句の果てには何処から出してきたのかアイマスクで俺は視界を塞がれた。
「ね、目が見えないと、いつもより聴覚や触覚が働くよね。だからより興奮するんだ。…たまんねぇ」
耳元で低くねっとり囁かれ、身体がピクッと震える。そんな俺の反応をさぞ楽しんでいるかのようにククっと笑うと、そのまま俺の中心に舌を這わせてくる。
「君が興奮してるのを見ると俺も興奮する…ハァハァ…ねえ…もっと感じて?」
ぐいっと両足の付け根を押さえ付けられ無理矢理開かせると、アイスキャンデーを舐めるかの如くチロチロとそこを攻められる。
その時、キィ…と鈍くドアが開く音と共に、薄い光がトイレ全体に差し込んできた。――そう、他の人がこのトイレに入って来たという事である。
その事実に気付いた俺は「ちょ、やめろ」と言わんばかりに身体をふるふると揺らして拒否したのだが、相も変わらず奴は俺のそこを弄るのを止めてはくれない。
「…ま、まじ…やめっ」
「静かに」
小声で織り成すこの会話は、果たしてこの個室のすぐ側で普通に用を足しているのであろうその人に聞こえてしまっているのだろうか。
そんな俺の不安を余所に、奴の愛撫はむしろ激しさを増す。執拗に、ねちっこく、煽るようにソコを舐めるその様に、俺の息子はビクビク波打ち既に果てようとしていた。
「…ん"…――!」
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「悪かったって!なー」
「ちょ、もういいからとりあえずそこに直れ」
犬耳がしょぼんと垂れ下がるかの如く俯きながら、仁王立ちしている俺の前に大人しく奴が正座する。
「で、何か言う事は」
「えっと…『反省はしているが後悔はしていない』、とか?」
ピクリと片眉を上げて奴を睨むと、「冗談!」と両手を合わせて申し訳なさそう(?)に頭を垂れてくる。
「アブノーマルにも程がある」
「でもなんだかんだいつもより興奮してたよね?」
「…」
「いやぁ俺も俺も!だってさ、あんな誰が来るのかも分からないトイレの個室に、拘束無理矢理プレイであんなに先走りダラダラ零してさ、それだけでもエロくて堪らないのに更に俺を蔑むようなあの顔!はぁ…堪らん!是非もっかいお願いした…」
ベラベラベラベラと、それはそれは嬉々として喋りだす恋人をげんなり見詰める俺の表情に気付いたのか気付いてないのか、「いや、そんな君の全てが大好きさ!」などと厚い抱擁とキスで胡麻かし始めるこいつを見ていると、あぁ、なんだかんだで俺も感化されてるんだな、としみじみ感じざるを得なかった。
ま、いいけどね。
-E N D-
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