番外篇 01.




最近、和哉が俺んちに泊まりに来る頻度が高くなった。
とはいえ俺の両親は和哉が俺の“恋人”だなんて毛ほども思っちゃあいないし、まだカミングアウトする気もない訳で、泊まりとはいえ大それた事が出来る筈もないのだが…



俺と親友と 番外篇



「しょー!翔!」

「んあ?」


今日は土曜日。もう日付が変わろうかという真っ暗闇な空の中、俺の部屋に当たり前のように居る和哉が、当たり前のようにベッドの中に勝手に入ったかと思うと俺にくいくいと手招きをしてみせる。


「こっち、来て?」


屈託の無い笑みを浮かべながら俺を呼ぶその姿に、無意識で目尻を下げている事を知らない俺は、導かれるようにベッドに入る。


「なんだよ」

「んふふー。なんか急に、ぎゅってしたくなっただけー」


そう言ってふにゃりと柔らかく笑うと、両手を広げて力一杯抱き着いてくる。俺の足の間に足を入れ込み、器用に絡ませて密着する。

勿論思春期真っ只中の俺達は、それだけで既に臨戦体勢になってしまうというもので、互いの下半身の膨らみに気付いた和哉が少し身体を離してチラっと上目遣いで俺を見詰めてきた。

う、この体勢プラスこの顔は反則だろ…。和哉、いつの間にお前はそんな俺を煽るようなテクを身に付けたんだ…。


「ちょ、お前可愛いすぎ」

「翔だってかっこいいよ?」


「にこぉ」と擬音が聞こえてきそうな位満遍ない笑みを浮かべる和哉に、あぁ、俺はこいつにゃかなわないとしみじみ思う。


「ちょ、どしたのさ翔?」


俺は無言で、和哉のそのふにゃふにゃした柔らかい頬に軽くキスを落とし力強く抱きしめた。

今日はもうこれで終わりだ。これ以上は絶対歯止めが効かなくなる。よし、我慢我慢。
と、そんな俺の自制に全く気付かない和哉が、また更に俺を煽るかのように身体をくっつけたり、耳元で喋って来たりするのを振り払う勇気は、やっぱり俺には無いんだな、これが。




-E N D-



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