眼鏡腐男子。 番外編



*こちらは拍手お礼小説の「眼鏡腐男子。」の番外編です。このおはなし単品でも問題なく読めますが、是非本編からどうぞ*




とある週末の丑三つ時。
自室のドアに施錠して万にひとつもぬかりの無い俺は、ヘッドフォンを耳に装着してPCの前に鎮座していた。



眼鏡腐男子。 番外編



『それにしても零がエロイプしてくれるなんて意外なんだけど!』
「たまたま気が乗っただけだ」

――そう、俺は今友人である圭とスカイプを介し話している。
圭や未来とごくたまにこうしてスカイプで話すことはあれど、“エロイプ”というものがあるのを知ったのはつい最近のことだった。
それに際し圭にエロイプについて尋ねてみたところ、『試しにやってみっか!』なんて茶化すように言われ、何故か俺はそんな申し出を承諾し今に至るのだ。

『まぁ何でもいいけどさ、今なに、なんかムラムラすんの?オカズある?』

ケロッとした声が耳にすっと届く。オカズ……無いわけでもないが、先日圭の姉上から借りたBL本の数々をオカズにするには部屋の電気をつけに行かねばならない。そんな風に手間取っていては俺のこの好奇心も薄れてしまいかねん。

「な、ない」
『ねーのかよ!しゃーねーな…』

圭の声が途切れる代わりに、ヘッドフォン越しに何かが擦れるような音が聞こえてきた。

『ぶっちゃけ俺、零とエロイプってだけでなんかちょっとコーフンしちゃってんだけど』
「な…」
『今下脱いだ、な…零も脱げよ?』

圭らしからぬ少し掠れ情のこもった低い声でそう言われて、思わずズクリと下半身が重くなった。

「ちょっと待て……」

もたつきながらも下着ごと膝まで下ろし、まだ萎えて地面を向いている自分のそれに軽く触れた。

「ぬ、脱いだぞ、次はどうすればいいのだ」
『はっ…マジやべぇ…零ちゃん今下半身丸出しなの?チンコ出しながら俺とスカイプしてんだ』

まるで何処かのAVかのような直接的な表現にカァッと身体が熱くなる。黙れと言おうとしたが、唇がわなないて上手く言葉にならなかった。

『零…な、それ自分で触って扱いて硬くしてみ』
「わ、わかった……」

たどたどしく根元へ手を伸ばして、皮を引っ張るようにぐにぐにと扱く。しかしまだ興奮材料が足りないのかいまいち硬くならない。この事実を伝えるべきなのかどうか迷いあぐねていると、ヘッドフォンの向こうから確かに吐息のような声が聞こえて一瞬俺の下半身が反応した。

『ちゃんと触ってる?俺、もうフツーに勃ってるよ、先走りまで出ちゃってるし…な、聞こえる?』

耳をすませばたしかにぐちゅぐちゅと小さな水音が聞こえてくる。呼応するように、俺の下半身に血がじわじわと集まってくるのが分かる。

「さ、触っている」
『あ〜だめだめそんなんじゃ。もっと扱いて、俺にそのエロい音聞かしてよ』

ね?とやけに色っぽく囁かれ、羞恥心に苛まれつつもマイクを下半身へと誘い、わざと音を立てて聞こえるようにペニスにカウパーを塗り付けながら扱いていく。

「…ど、どうだ」
『っは…マジえっろ……』

お前の方がエロい声だと突っ込んでやりたかったが本末転倒になりそうなので言い留まった。
そのままゆっくり右手を上下に動かしていく。

『なぁ零…お前の声も聞きてぇ』
「なっ…!む、無理だ」

そんな恥ずかしいものを聞かせるわけにはいかない。今の時点でもう俺の羞恥は限界を超えているというのに…これ以上恥の上塗りは御免被りたい。

『どうせ恥ずかしいとか思ってんだろ……逆だ、逆。零』
「逆…?」
『もうここまでシちゃってんだからさ…変に恥ずかしがる方が恥ずかしいっての、だから、ほら……んっ…』

俺から、とでもいうように圭の吐息が響く。熱い息は明らかに情事の其れを思わせ、頭にダイレクトに伝わる色っぽい声が徐々に俺の理性を崩壊させた。

「……ッ、」
『零、もっとエロい声聞かせて…』
「…っ、うる…さっ……はぁッ」

とりつかれたように淫らに手を動かして、声を抑えるのも忘れて俺はテレフォンセックスを初めて体験した。

『やば、俺出そう…』
「まっ…待て…俺も……ッ」
『んじゃ一緒にイこ』
「んっ……〜!!」











――という夢を見た。
正直途中で夢なのではないかと自問もしたのだが、寝ている間の話だ。自問なぞしたところで無意味というもの。
朝起きて久しぶりの夢精の感覚に心からの後悔を味わった俺は、今日学校で圭にどんな顔をすればいいのかとがっくり肩を落とした。



---fin---



夢オチです。こんなん好きなのです。未来くんも出したかったのですが未来くん口数少なすぎてエロイプにならなそうだったので今回は圭くんとのアレコレでした!
冬様、リクエストありがとうございました!



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