媚薬/学校/敬語 03.



「ふぁ…っ…あっ…や…もっと…っ…」

「おねだりまでするようになるのか…実に良い…」

「…あ…焦らさないで…先生…っ…」


僕は椅子に座ったまま下半身だけを曝け出した状態で、対して先生はしゃがんで僕の顔…というよりも表情、言動を食い入るように見詰め、ビクビクと筋が立つ程に反り返って先から透明の汁が垂れ出るそこを、まじまじと観察している。

先生の細い親指と人差し指でその熱を摘み、ゆっくり、焦らすようにその辺りを指が往復していく。

そんな緩い刺激がもどかしくて、焦れったくて、もっと強い刺激が欲しくて、もっと触って欲しくて。
僕は半ば無理矢理的に、先生の口辺りに自分の熱を持っていった。


「…っ…舐めろ、と?」


僕は何も言えなくて、ただ縋るような気持ちで先生を見下ろす。
先生は最初こそ驚いた顔をしたものの、直ぐにニコリと微笑んで「しょうがないですね…」と満更でもない様子でその薄い唇を開いた。
ああ、早く舐めて、先生のその口内を冒して、僕のでいっぱいにしたい。


「っ…あ…あ…っ…や…あああっ!」

「…っ!」


先ずはそっと亀頭にキス。その後焦らすように先端から根元までをチロチロと舐め、いよいよ待ちに待った先生の口の中に入る…って瞬間、僕は熱をぶちまけてしまった。
今まで沢山焦らされたせいか興奮が高まり過ぎて、我慢出来ずに先生の顔にピュ、ピュと勢い良く白濁色のソレがぶっ掛かってしまう。


「あ…あわわ…っ…す、すみません!」


僕はイッた後の高揚感よりも何よりも、今この先生に掛かっている汚い液体をどうにかしないと、という気持ちで顔を真っ青にし急いで制服の裾を先生の顔に伸ばした。


「良いのですよ」そう言って先生は僕が伸ばした手を制す。そのまま立ち上がり、何処へ行くのかと思えば先生は、準備室の端にある鏡の前で足を止め顔に付いた精液をうっとりとした表情で眺めていた。

僕はどうしたら良いのか分からず、とりあえずティッシュで周りを綺麗に拭いて、ごそごそと下着とズボンを履く。
丁度ベルトを締め終わったそんな頃に、先生はコツコツと僕の元へと戻り、何食わぬ顔で椅子に座って僕を見上げる。


「先生、早く拭いて下さい…」

「あ、あぁ、そうだったね。あまりにも幸せだったものだから、このままでも良いか、なんて思ってしまったよ」


いつものふわりとした優しい顔でそう言うと、僕が差し出したティッシュで顔を丁寧に拭き取る。

どういう事だろう。幸せ?先生は、自分の作った薬を実験出来たから幸せって事、かな。
あー、やっぱり僕は、ただの実験台にされた存在でしか無いんだ。分かっていた事だけど、改めて実感する。…でも了承したのは自分だ。そう悲観していると、


「何をそんなに落ち込んでいるのですか?」


そう顔を覗き込まれた。眼鏡の奥にある先生の細くて潤んだような瞳が、しっかり僕を見据えている。


「い、いえ…」

「…あれ、もしかして、私の気持ち受け取ってくれてない…の、かな?」

「?」


頭にはてなを浮かべつつ、困ったような顔でこちらを見てくる先生を、こちらこそ困っています、と無言で訴える。え?先生の気持ち?どういう事…?


「佐々木君」


コホンと咳を一つ。空気を一新したかのように一呼吸置いた後、先生が改まって僕の名前を呼ぶ。


「教師にあるまじき行為かも知れないが…」


眼鏡をカチリと直し、真っ直ぐ僕を見詰めたかと思えば「君の事が好きだよ」と続け、一気に頭が真っ白になってポカーンと立ち尽くす僕の頬に、先生は軽くキスをした。


「…え、…あ、…えぇえ?!」

「ふふ…佐々木君」


一瞬吹き出した先生は、その後クスクスと笑って、「私の気持ち、分かってくれたかな」と優しく問う。

まだ上手く言葉にして答えられる程頭の整理がついていない僕は、ただコクコクと首を縦に振った。


「佐々木君」

「はっ、はい…」

「明日も他の部員はお休みかも知れないね」


そう言って楽しそうに顔の筋肉を緩ませる先生を、ああ、やっぱり好きだなぁ、なんて思いながら見詰めてしまう。
その後、先生の言葉の意味をやっと理解して、顔が真っ赤に染まったのは言うまでもなかったり。



-E N D-


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