媚薬/学校/敬語 02.
「今日の部活は、薬を用いた実験を行おうと思っています」
身体の中からふつふつと沸き上がってくる何とも言えないこの熱い感覚に耐えつつ、唐突に聞こえてきた先生のその言葉に耳を疑う。
「っふ、もう効果が出たみたいだ…どうですか、佐々木君?身体が芯から熱くなっているような、そんな感覚は分かるかな?」
「…え…せ、先生…?」
脳内の整理が追い付かず、おろおろと先生に視線をやる。すると先生は、いつもの優しそうなふんわりとした笑顔のままで、僕の顎にそっと触れた。
「大丈夫。準備室の鍵は閉めてあるし、誰も来ませんよ」
そう言って、椅子をギギギとずらし僕とくっつく程近い距離に置いた。
誰も来ない?鍵は閉めた?そもそも、実験って?しかも何で先生はそんなに嬉しそうな表情なんだろう。
それに、この身体の異変の理由も分からない…。熱くて、えと、欲求不満みたいな、ムラムラしてるみたいな…。
ただでさえ先生と二人きりっていうこの状況にドキドキして緊張してるっていうのに、こんな近くに先生が居て、よもや僕をじっと見つめてるだなんて、本当どうにかなりそう。
「さぁ、リラックスしてごらん…」
「先生…」
そうやって先生は優しく頭を撫でてくれた。そのまま、そのすらりとした細い手が顔の横まで滑ってくる。
触れられたところが感染するようにどんどん熱くなっていって、僕は自分でも気付かぬ内に下半身に熱を持ち始めていた。
「…そろそろ良い具合かな」
そう呟いて眼鏡を軽く押し上げた先生は、何の前触れも無く当たり前のように僕の股間に手を伸ばす。
うぇええぇえぇえ!?
僕は驚きのあまりビクビクッと身体を震わせ、反射的に両足を閉じる。
その足でシャットダウンされた先生の手は、諦める様子もなくゆっくりとそのまま僕の太股辺りを撫で始める。
「せ…先生…何、を」
「ごめんね、佐々木君。君に煎れてあげた珈琲に、私が作った性欲を催させる薬、所謂『媚薬』を混ぜておいたんだ」
「…っ…あ…だ、から…」
「うん、君のその身体の異変は、媚薬の効能だ。嫌だったかな?」
嫌…な訳がない。先生がよく実験室に篭って、何か怪しい薬を作っている事は勿論知っている。先生をいつだって目で追い掛けているんだから、知らない筈が無いんだけど。
だから、その先生が作った媚薬を試す第一号が僕だなんてこの上ない幸せだ。実験台だって何だって構わないよ、先生。
「あの…僕…頑張り、ます」
「良い子だ」
にこっ、といつもの温厚で柔らかい笑みを見せてくれた後、先生は徐(おもむろ)に僕がさっき閉じた足の間に手を滑り込ませ、優しくそこを開かせる。
「先生に、よく見せて?」
「…っ……は、…はい…」
- - - -
「…あっ…あ……せんせ…」
「そう、もっと感じて……はぁ…良い、表情だ」
夕暮れの朱い光が棚引く化学準備室に、僕の必死の喘ぎ声と先生の誘導する甘い声が響き渡る。
先生は、一言「いいかな?」と問うと僕の制服のベルトをカチャカチャと手際良く外し、何もしていないのにもう張り詰めて下着の布を押し上げているその部分を優しく撫でる。
僕はあまりに非現実的なこの状況と、下半身の疼きと、僕を舐め廻すように見つめてくる先生に全身がすっかり酔いしれ、いつの間にか早く触って、と言わんばかりに腰を揺らしていた。
「…っ…はぁ…は…せん、…せ……」
「…私の薬は効果抜群のようだ」
満足そうに小さくそう漏らし、先生は僕の下着を一気にずり下ろす。
猛々しい程に反り勃つそれに、ゆっくりと先生は手を伸ばした。
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