腹黒美形×ツンデレ 02.
目を見開く。
そのまま奴――神崎は、俺にキスをしてきたのだ。
チュ、と唇を奪った後、満足気にニコリと微笑み掛けてくる。
俺は自分の唇を腕を押さえながら
「ちょ、な、」
「「ちょっと」、「なに」?」
「何…、してんだ…」
「先生の様子がおかしかったから…」
「お前は、俺の様子が変だとチューするのか?」
不気味に神崎が笑う。
「こんなに俺がアピールしてるのに、先生、気付かないから…」
そう言って、またゆっくり俺の唇に近付く。
――振りほどくのなんて、簡単なのに。
俺は、それを受け入れてしまった。
「…っん、んっ」
「んっ…はぁ…せんせ…」
激しく何度も角度を変え、唇を合わせる。その内口内に舌がぬるりと入ってきて、もうがむしゃらに、互いの舌を絡め合わせた。
「…んっ…んっ」
「…っはぁ…」
唇を離し、見つめ合う。
…この先、何をしたいかなんて明白だった。
神崎のシャツのボタンをゆっくり外していく。
すると神崎はフフ、とまた不気味に笑い、俺の手を振りほどく。
俺が「?」という顔で見つめると、神崎が俺のシャツのボタンに手を掛けて来た。
「先生の事…ずっと、好きだったんです」
そう言いながら、俺の胸の突起を舐め始める。
「…あっ」
焦らすように、ゆっくり、ねっとり。
その行為はどんどん下に下がっていき、
「先生、良い、よね…?」
俺は頷く代わりに目を逸らした。
*
「っ…あ、っ…」
「あっ…気持ちいよ…先生…っ」
「っ…っ…あっ…」
「せ、先生は…っ?」
「分かんな…っ…あっ」
「でもココ…勃ってるよ…?」
後ろから挿れられたソレは、思いのほか大きくて、穴なんか使った事無い俺は痛いのと同時に、初めての快感に酔いしれていた。
その証拠に、俺のソコは萎える訳でもなくむしろ、ギチギチに勃起し収まる様子も無い。
「っ…、触んな…っ」
「気持ち良くない…?」
「…っ……くっ…」
「一緒に、イこ…っ?」
抜き挿しされながら、片手で俺のペニスを扱かれる。
前も後ろも攻められるなんて…頭が変になりそうだ。
(…あ、…も…出る…っ)
――そう思った瞬間、
後ろから激しく突かれたかと思うと、俺の中にジワッと射精されたのが分かった。
同時に、俺も果てた。
*
俺は、味わった事の無い尻と腰の痛みに耐えながら、汚してしまった椅子と床を拭いていた。
一方、神崎は――
「先生…?」
床にぺたんとしゃがみ込み、しょんぼりと肩を落としながら俺を恐る恐る見上げる。
「…ね、先生…?」
腕を掴まれ、神崎を見つめる。
俺は、こいつに何て言ったら良いのか分からなかった。
「…先生…」
「…何だ?」
「…先生も、俺の事好き?」
「っ…?!」
「…違う…?」
俺は、頷く代わりにまた、視線を逸らした。
-E N D-
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