小悪魔受け 02.
――水の中でゆっくりと沈んでいく小泉を抱き抱えて昇っていこうとしたその時だった。
(…!?)
意識を失っていたとばかり思っていた小泉がいきなり目を開けて、にやりと含み笑いをしたかと思うとそのまま俺の唇を奪ったのだ。
(…っ…!!)
俺は状況を飲み込めていないままに、その行為を受け入れていた。
纏わり付くように密着した小泉は、膝を曲げて俺の股間をまさぐり始める。ちょ…そんな事されたら嫌でも反応する。やんわりと俺のソコは勃ち上がりつつあった。
そんなうち息を続かなくなった俺達は、プールから顔を出して「ぷはっ」と息を吐く。
「小泉。」
「……はい?」
「どういう…つもりだ?」
俺が毅然として問うと小泉はいつもの可愛い笑顔のままで
「でも…先輩拒否しなかったですよね?」
「…」
「先輩僕より体格大きいんだから、嫌ならいくらでも拒否出来るのに」
「…そっ、それはだな…」
「僕を突き飛ばす位出来ますよね?」
「そっ、そんな事する訳ないだろ!」
「何故、ですか?」
強い眼差しを向けられる。うっ…この視線は痛い。俺はなんて言ったら良いのだろう。
「こっ…小泉の事は人間として、後輩として好いているからだ」
我ながら、良い切り返しだったと思ったのだが…
「僕は、もっと深い意味で先輩の事が好きですよ」
と茶目っ気たっぷりの笑顔で言われたから、一気に頭が真っ白になってしまった。
「それはどういう…」
「こういう事、です」
頬に不意打ちのキスをされた。
不意打ちとはいえ拒否る事なんて勿論出来たはずなのに俺は、それをしなかった。いや、出来なかった。
「…小泉」
「はい?」
「どうなっても知らんぞ?」
「ハイ。そのつもりです」
今度は俺から、唇を奪った。
-E N D-
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