ごく平凡な子×ごく平凡な子


「な、思わね?」
「ん〜?」
「だからぁ、男同士はよくホモとかネタになんのに女同士はないよなって」
「あ〜?まぁそうなんじゃね?」
「なんでだろ」
「知るか、なんかアレだろ、女はなんか生々しい感じすっからじゃん?」
「そんなもんかねぇ」

休み時間のクソどーでもいい会話。ほとんど意味なんて無いに等しい。
目の前の真壁という男も、今し方の会話内容などすっかり忘れたように「あ、飴いる?」とチュッパを差し出してくる。

抹茶イチゴ味の棒キャンディをがじがじ軽く噛みながら、今ハマッているソシャゲのレアアイテム集めについてぼんやり考えていた。



ごく平凡な子×ごく平凡な子




『ああんっあっあっああああっ!んっ…あっああっ…あんっ!』
「ん〜…」
「ナシだな」

真壁の言葉にうんうんと頷く。
別の友達もナイわ〜と口々に言い始め、もう何度目になるか分からない下手物AV鑑賞会はお開きとなった。

男同士だと結構気が合うヤツらでこんなこともするけど、女子もこーゆーことすんのかね?
今日昼間に真壁と話した会話がふと思い出されて、どーなんだろうと一瞬だけ疑問に思う。

「な〜今日こんまま染谷んち泊まろ〜ぜ〜」
「あぁ?まぁいいけど」

まぁわりとどうでもいい疑問だったのでそんなこともすぐに頭から消え、友人からの提案をあっさり承諾する。
やりぃ!と喜ぶ友人達に、その代わり買い出しじゃんけん俺参加しないからなと言えば、ソッコーで俺以外の三人がじゃんけんを始めた。

特筆することもない、ありきたりな週末。

じゃんけんに負けた二人を勝者である真壁と共に見送って、DVDプレーヤーからさっき見ていた『熟★熟女 熱海でイヤァン爆裂おっぱい』のディスクを取り出してケースに仕舞う。

「いや〜ひどかった」
「な、うける」

真壁がしみじみ言うもんだから、なんか面白くなってはははと手を叩いた。



***



お菓子とジュースと酒も交えつつ、テキトーに騒いでテキトーに寝るいつもの風景。
俺もそろそろ眠くなってきたなと最後に便所と歯磨きを済ませて部屋に戻ってみれば、いつの間にか俺以外全員が既に就寝タイムに突入していた。

「……まじか…」

更に俺のベットが奇しくも買い出し組の一人に乗っ取られていた為、俺は仕方なくカーペットに雑魚寝している真壁達の間に腰を落ち着ける。

「………?」

いつもなら100パーセント気が付かないのに、というか今まで1回も気が付いたことはないのに、

「たってるし……」

そういえば俺が便所行く前から寝ていた真壁。
すーすー小気味よい寝息を立てながら、股間を不自然に膨らませて横向きに丸まっている。

「………。」

何故かゴキュリと喉が鳴った。

「………っ!」

そして何故か反応する自分の股間。

いやいやいや。
いやいやいや!

ないだろないだろありえないだろフツー!?

誰が見ているわけでもないのに一人でブンブン頭を振って否定しながら、そっと真壁の隣に横になった。



--end------------





【あとがき】
『ごく平凡な子×ごく平凡な子』

ここから彼は意識し始めたというハナシ。思ったより短いですが個人的には気に入ってます妄想の余地が広がりますね┌(┌^o^)┐
お題提供ありがとうございました!

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