第16話




「………っ、ぁ」

まだほかほかと温もりの残っている横田のスエットが、恨めしそうにこちらを見ていた。
横田の細くてしなやかな身体が大きな窓から漏れ出る月夜に照らされていて、凄く綺麗だ。

お洒落な黒とグレーの市松模様のぴたぴたボクサーパンツの盛り上がり具合を見るからに、横田のアレはきっと長い。細…いというかすっきりしてて、長い。あの顔立ちに巨根というのもそれはそれで大歓迎であるが、うん、多分これ俺の予想通りだ。うん。

下着の上から優しくそこを撫でれば、その度に小さくピクピクと反応が返ってきて、その反応一つ一つが可愛くて扇情的でエロくて…。なんかもうクラクラしてきた。

「…な、これ、脱がしていい?」

耳元で低く囁いてから、横田の返事も待たずに下着に手をかけた。



「…うぁ………やべ」
「ちょ、ジロジロ見すぎだって…」

思わず口をだらしなく開けたまま横田の生チンコに見惚れていたら、両手で隠すようにそこを覆われてしまって、そこでやっと我に返った。
あぁ、やばい。横田の生チンコやばい綺麗。写真撮りたい写真。あーやばい舐めたい。ペロペロちゅっちゅしたいまじでやばいこれ。

「横田くん…さ、ささささささ」
「………何、だよ」
「さ、触っても……?」

恥じらいながら「…い、いよ」と呟く横田のその伏せがちな目が、心なしか潤んでいるように見えた。





「…っ、……っ」
「き、気持ちい…?」

四本の指を輪にして、根元からぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、と規則正しく扱いていく。ぷつりと先っぽから溢れ出る透明な糸を舐めたいという衝動に駆られながらも、それを指に絡め取って先端に馴染ませる。
俺からの問いに顔を真っ赤にしながら「…んっ」と応える横田の声が少し掠れていて、否応なしに劣情をそそられてしまう。

「…ね、どこ擦られたら気持ちいの?横田」

片手の動きは止めずにそう聞くと、怖ず怖ずと伸ばされた横田の骨ばった細い手が俺の手の甲に重なる。そして、そのまま俺の手越しに扱き始める横田。
横田くん、エッロ……

「…っんっ…、」
「なぁ横田…」

思えば、俺の声もどうしようもなく掠れていた。この欲情の塊が熱すぎて、うだるように身体全体を駆け巡っていて、だからこんなにも掠れてしまうんだろうか。

「なっ……な…に…っ…?」
「お前、エロ過ぎ」

そう発した途端に、横田の横田クンから発射された。びゅ、びゅ、と。
丁度先っぽがこちらに向いていたので、見事に俺のスエットにその白濁がぶっかかる。勿論手首辺りにも万遍なくかかった。ありがとうございます。



「…っ、ごめ…!」
「いやいや、全然まったく気にしなくていいよむしろご馳走だから」
「…?」
「ごめん今の忘れて」

ごまかすように咳ばらいをしながら、慌てて差し出されたティッシュを受け取って、独特な香りが漂い始めたその手首をもたもたと拭いていく。このティッシュ、持って帰っていいかな…?いいよね…?

――そんなことを考えていたら、横田の揺らいだ瞳とぱちりと目が合った。何故か不安そうに揺れるその眼差しからは、横田が今何を考えているのか当てられそうもない。

「高木…そのスエット…」
「あ?あぁ…」

このスエットももう洗えないよね。一生洗わずに家宝にします。

「気にすんな、全然へーき」
「脱いで」
「……え?」
「高木、早くそれ、脱いで」


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