公序良俗に反する職権乱用
番外編



「…んっ…んっ」
「いいよ…ルカくん…」

あれから、だいたい週に1回のペースでお店に出させてもらっている。といっても何故か僕は『待ち』ばかりで、ずっと控え室で自分の出番がくるのをずっと待ち続けたまま、実はまだ1回もお客様の相手をしていなかったりするんだけど……



公序良俗に反する
  職権乱用 番外編




「…はぁ…ルカ君…出すよ…」
「…っ……んぅ"っ」

口に広がる加賀見さんの精液の味にも少し慣れてしまった、初出勤日から3ヶ月くらい経ったある日のこと。

いつものようにお店が終わったあとに行われる加賀見さんとの研修。
一通り事が終わったのを見計らって、最近ずっと疑問に思っていたことを思い切って加賀見さんに尋ねてみることにした。

「あ、あの…」
「ん?何かな?」

軽くシャワーを浴びて、バスローブ姿でベッドに浅く腰掛ける加賀見さんが、ふわりと笑いながらこちらに視線を向ける。

「ぼ、僕…あの、まだ一回もお客様の前に出てないのですけど…」
「あぁ…うん、そうだね?」

取り立てて話題に出すようなことでもないよと言わんばかりのしれっとした加賀見さんの表情からは、彼の考えていることはさっぱり分からない。

「えっと、その、僕、このお仕事に向いてないんでしょうか…?」
「どうしてそう思うのかな?私との研修の時のキミは、いつもあんなに感じているのに」
「なっ…!えっ…」

いつも加賀見さんは、こうやって恥ずかしいことをサラリと口に出す。僕はまだそんな加賀見さんにに慣れていなくて、ついしどろもどろになってしまう。

「えっと…あ、あ…」
「ふふっ、本当に可愛いなぁルカ君は。ほら、こっちにおいで」

床にぺたりと座って加賀見さんを見上げていた僕に、両手を広げてそっちへ来るように促される。僕はベッドにちょこんと腰掛けて、おとなしく加賀見さんの腕の中に収まった。ぽんぽんと背中をさすってくれる加賀見さんの手が、心地好い。

「あの……」
「ん…?」
「い、いえ……」

結局僕の疑問は解決されないまま、今日の僕の出勤も終わってしまった。







「ちょっと加賀見君!?あなたいい加減いつまでルカ君に客の相手させないでおくつもりなの!」
「まぁまぁ社長」





---fin---




匿名様よりリクエスト頂いた「公序良俗に反する職権乱用」の番外編(続編)です。完全に職権乱用してルカ君を個人契約しちゃってる加賀見さんの図ですね(〃ω〃)リクエストありがとうございました!




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