『無人島に何を?』



「おーい杉田!」
「なんだよ」
「もしさー無人島に、ナイフかロープか水1リットルかライターか携帯か方位磁石か……俺、のどれかひとつしか持ってけないとしたらどれ選ぶ?」
「ナイフ」
「即答だな」
「当たり前だろ」
「俺は要らねーの?」
「あぁ、お前なんか居ても役に立つとは思えねぇ」
「うぐっ……」




「おーい!神崎!」
「…何だ、何の用だ。僕は今からこの参考書に目を通さねばならないのだが」
「まぁまぁ聞けや。もし、無人島に、ナイフかロープか水1リットルかライターか携帯か方位磁石か……俺、のどれかひとつしか持ってけないとしたらどれを選ぶ?」
「ふっ、何だその質問は。実にくだらない。まず無人島に行くのに持って行けるものを選べるという点がおかしいだろう。一般的に個人所有の無人島則ちバカンス以外で無人島に行く理由というのは流れ着く以外にあるまい?全く甚だ馬鹿げている」
「…神崎くん冷たい!」
「僕はこういう人間だ」
「そうでした…」




「あ、倉持!おーい倉持!ちょっと聞いてよー!さっき神崎に散々罵倒を浴びせられちゃってさー」
「なはは!どーせお前がくだらない質問でもしたんだろー?神崎はバカが嫌いだからなー!あははっ」
「あははっじゃねーよお前この脳天気野郎!ところでさ、ちょっと聞きてーんだけど」
「なになに?!」
「もしさー、無人島に、ナイフかロープか水1リットルかライターか携帯か方位磁石か……俺、のどれかひとつしか持ってけないとしたらどれ選ぶ?」
「んー…携帯!」
「なんで?」
「え、誰かに電話して助けに来てもらえばよくね?」
「それはなしだろ……」




「おおおい!裕介ぇぇぇぇ!やっと見付けた!ずっとお前を探してたんだよ俺は!」
「ん…何、どしたの?」
「裕介は俺のことどう思ってる?」
「え、何急に…」
「いいから!」
「え、普通に好きだけど……え、だって俺達付き合ってるだろ?」
「うんうん、うんうん…!」
「な、なんだよ…」
「裕介は俺の恋人だよな?」
「うん」
「じゃあ質問です!無人島に、ナイフかロープか水1リットルかライターか携帯か方位磁石か……俺、のどれかひとつしか持ってけないとしたらどれ選ぶ?」
「うーん……」
「どれ?どれを選ぶ?」
「啓太以外のどれか」
「え"!なんで…なんでみんな俺を必要としないんだ…裕介まで…!裕介なら、お前なら俺を必要と言ってくれるって信じてたのに…!」
「えー何そのテンション。面白いなぁ啓太は」
「だっでぇ"…」
「あのね、啓太と無人島に二人っきりで居たら僕、絶対啓太に色々したくなっちゃうから」
「……え?」
「だから啓太以外。それに、もしかしたら無人島から出られないかも知れないのに、そんな危ないところに啓太を連れてなんか行けないよ?」
「裕介…!」
「えへへ。僕の気持ち、分かってくれた?」
「(男前だ…!)」



---fin---




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